出版社内容情報
大学図書館のクール美人司書・九条薫子。彼女に惹かれる桐生だが、ミステリマニアな薫子が求めるのは謎と事件。しかも「事実が面白ければ正解を。つまらなければ、桐生くんの考えた奇なる解を」なんて言い出して!?
内容説明
僕の通う大学の図書館には、九条薫子さんという、たいへん事務的な―しかし、凛とした美しい容姿と澄んだ声を持つ司書がいる。ある日、僕は薫子さんに奇妙な探しものを依頼された。それが僕と薫子さんの物語のきっかけになるなんて、そのときは思ってもみなかったのだけれど…。「事実が面白ければ正解を。つまらなければ、桐生くんの考えた奇なる解を教えてください」ミステリマニアでミステリアスな彼女に、謎と面白い解答を求められつづける、僕の恋と青春ミステリ。
著者等紹介
大槻一翔[オオツキイット]
第2回ラノベ文芸賞にて金賞を受賞。受賞作を改稿・改題した『薫子さんには奇なる解を』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
39
ヒロインの大学図書館司書・薫子さんの口の悪さに驚いた。彼女を好きになる主人公はMなのに違いない・・・。一応の謎は最後の章で解かれるものの、いろいろな意味でこのふたり、対等な関係になっていただきたいものである。2015/07/01
よっち
21
凛とした大学図書館司書・九条薫子さんが気になる大学生・桐生くんが、ふとしたきっかけから彼女の小説ネタを探す手伝いをすることになる青春ミステリ。身近で起こる事件に首を突っ込んで桐生くんに面白い回答を要求する薫子さんは実は心を許した相手を罵倒するちょっと困った人で、そんな彼女に関わろうとする物好きな桐生くんは、平凡どころかとてもよくできた人間だと思いました(苦笑)薫子さんの毒舌ぶりは好みが分かれそうですが、人が死なない事件は地に足付いた結末にどこか独特の味わい深さがありました。次巻出るようならたぶん読みます。2015/05/14
異世界西郷さん
20
冴えない大学生の桐生が、小説家志望の美人司書の薫子と出会ったことで小説のネタ探しに奔走させられる話。最初は全くノーマークな作品だったんですが、読友さんの感想で別府が舞台になっていると知り「これは読まねば! 」と思い立ち読了。大学時代は別府に住んでいたので、懐かしい地名もいくつか出てきて楽しく読めました。普通、こういう推理物は事実を突き止めるものだと思いますが、必ずしもそうある必要はないという考え方は個人的に珍しく感じました。(とはいえ、桐生くんたちが全く検討違いのことをするわけではありませんが)2015/05/18
coco夏ko10角
18
大学図書館の美人司書・薫子さんと新入生の桐生くん。図書館ということで手にしてみたけど、薫子さんの口が悪すぎてしんどかった。2018/08/17
Koto
17
大学生の主人公が出会った司書の薫子さんと日常の謎を巡る物語。ミステリマニアな彼女は言う。「事実が面白ければ正解を。つまらなければ、桐生くんの考えた奇なる解を教えてください」なかなか突拍子もないことを言う人で恋心ゆえにその期待に応えようと奔走する主人公が健気。それなのに、薫子さんからも友人からもボロクソ毒を吐かれる、「Mだ…」(苦笑)真実より面白味を求めるヒロインに、ミステリ小説の意義を根本から覆されてしまいそうな危うさはあるが今までに見なかったキャラクターだった。いつか主人公の努力が実りますように。2015/07/14