内容説明
死してなおこの世に留まる幽霊を、誰もが生者と同様に接し暮らすことが当たり前となった社会。けれど小鳥遊昴には、体質的に幽霊が見えなかった。だが…『私を成仏させてくださいっ!』よりによって昴のもとに、幽霊の少女・詩織が頼み事をしに現れた。記憶をなくした彼女にとって、手がかりはかつて昴が撮った一枚の写真だけ。唐突に訪れた“見えない”詩織を最初は疎ましく思う昴だったが、彼女の記憶を探す日常がやがてふたりの関係を少しずつ変えていく―。不思議で切ない、青春オカルトストーリー。第25回ファンタジア大賞ラノベ文芸賞受賞作。
著者等紹介
霧友正規[キリトモマサキ]
「僕には彼女が見えない」にて、第25回ファンタジア大賞ラノベ文芸賞を受賞。改題した『見えない彼女の探しもの』で、富士見L文庫よりデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
幽霊が見えることが当たり前の社会で、体質的に幽霊を見ることができない昴。そんな彼と彼の写真を見て私を成仏させて欲しいと頼む留霊体の少女詩織の物語。詩織本人を見ることもできず、他人を通じてしか会話もできない昴とのコミュニケーションはなかなかもどかしいものがありましたが、一緒に過ごした時間やすれ違いを経て、きちんと本人同士向き合ったことで、ようやく最後に交わした思い。写真を撮る、幽霊が見えない昴だからこそ、「忘れる」のでなく「思い出」として心に刻むことの意味を、詩織に提示することができたのではないでしょうか。2014/07/15
いーたん
26
『小鳥遊(たかなし)』は創作物でよく見る名字であるけど、『月見里(やまなし)』はこの作品で初めて知りました。不勉強でした。この作品には『小鳥遊』と『月見里』が両方出ています。そして気になったので、両方とも意味を調べました。『小鳥遊』=小鳥が遊べるのは鷹がいないから 『月見里』=月が見える里には山がないなら なるほどと思いました。それにしても不勉強でした。 作品自体は幽霊が誰にでも視える世界という設定の中、主人公は視えないし、(霊覚異常)ヒロインは幽霊。大丈夫かなと思いきやそれなりにまとまっていました。2014/12/02
シロうさぎ
20
誰もが幽霊が見えて話もできるのが当たり前の世の中。そんな中で幽霊が見えず話もできない霊覚異常の主人公のお話しです。お話し的には、この設定はかなり無理があったかなって残念な感じでした。でも、主人公を生まれながらの身体障碍者や色覚異常者の方などに置き換えて読んでみると、ちょっと違った面白さと切なさ、彼らにとっての日常の普通とは・・・ってひどく考えさせられる作品でもありました。2014/10/24
アウル
17
幽霊が見えるのが普通の世界で幽霊を見ることができない主人公の昴と昴に成仏させて欲しいと現れた幽霊の詩織との話。設定は面白かったが他の方の感想に書いてあるように主人公の感情の変化の描写が今一つだったかなと思った。2014/07/24
シュエパイ
11
幽霊が見えることが当たり前の世界で、尊重されるべき幽霊の彼女と、差別される『見えない』彼の物語。世界観がすっごく好き!底に住む人々も、思いのたけも、すごく身近に感じてよいのです♪でも・・・一つだけ、どうして彼が彼女を好きになったのか、それだけがどうしてもわからなかったのです。・・・それが、こいってもの、なのかな?2014/07/28
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