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内容説明
テオとの戦いに敗北し、大工房同盟・盟主の威信を失ったヴァルドリンド辺境伯マリーネ。彼女は幻想詩連合の弱腰を見越して、仇敵であるアルトゥーク伯ヴィラールの命を狙う。連合の盟主・アレクシスからの和平案を蹴り、力と恐怖、そして新たな体制“選帝侯”システムをもって同盟をまとめ上げたマリーネは大軍勢を率い、アルトゥークを包囲する。アルトゥークの城代・テオの治める領地“常闇の森”にも同盟の軍勢5,000が迫る。対してテオの軍勢は僅か200。敗北必至の戦に見えたが、テオの掲げた戦旗に次々と仲間が集い―。アルトゥーク戦役を経て、大陸は再び大戦へと突入する!
著者等紹介
水野良[ミズノリョウ]
1963年7月13日生まれ。大阪生まれ、京都育ち。小説家・ゲームデザイナー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
54
幻想詩連合からの和平交渉を一蹴した大工房同盟盟主マリーネは、連合有数の大国アルトゥークに進軍する。そして、ヴィラ―ルより常闇の森の統治を任されているテオの元にも同盟軍五千の軍勢が迫るが、テオの擁する軍勢は僅か二百程で…。テオとの戦いに敗れ威信を失いかけたマリーネでしたが、想い人への恋慕を捨て、同盟の勝利のために冷酷なる王の道を歩みだしたマリーネの覚悟が壮絶でした。従弟であるヴィラ―ルとの戦では、戦場の鉄臭い匂いや硝煙の匂いが本の外にまで漂ってきそうでした。テオとシルーカも両想いになり、恋愛模様も楽しみです2017/11/01
まるぼろ
36
アルトゥーク戦役の後編のお話、前半は主にマリーネ、それにミルザーの其々の思惑から生じた行動について、後半は前巻からの繋がりとなる戦役においての其々の戦いと、そして…と言う話になります。アルトゥーク伯とマルグレットについては結末を知っていたにも拘らず、やはり読んでいて辛いものがありました…。その後にマリーネの決意を知ったアレクシスが失意に陥ってますが、やはりこの時点では遅きに失したと感じてしまいました。そして戦役が終わりテオ達はある決意をし、そのテオとシルーカはシスティナへ向かい…、次巻も楽しみです。2019/03/02
よっち
34
テオとの戦いに敗北し同盟の威信を失ったマリーネと、優勢の状況であくまで和平を夢見た連合の盟主アレクシス。ターニングポイントで大勢を決したのは盟主二人の決断だったわけですが、劣勢とはいえまだ挽回の余地もあったヴィラールが、局面を打開するのではなくその美学に殉じようとした姿勢は、覇道を目指すことを覚悟してその身を投げ出すことすら厭わなかったマリーネとはあまりにも対照的でした。ただそんな中でもついにテオとシルーカにも転機があって、そんな二人がより混沌としてきた状況で向かう故郷での新展開に期待したいところです。2015/01/20
アウル
31
理想に殉じたヴィラール散る。そしてその裏ではテオとシールカは恋仲になる巻。テオとシールカが本来メインなのに思いっきりマリーネとヴィラールに喰われてたなw覇道を歩む決意したマリーネと自分の生き様を貫き通したヴィラール2人ともカッコ良かった。次巻は故郷に戻ったテオはシスティナの領主となる事ができるのか?非常に楽しみです。ジードは上手い事嫁さがし出来たけど、フリントの方は笑ってしまった。2015/01/25
まりも
29
怒涛の展開。自分の美学を貫いたまま散っていったヴィラール、和平と言う叶わぬ夢を見続けたアレクシスと最後まで変わらなかった二人が敗北し、一度テオに敗北した事で目的を叶える為なら全てを犠牲にしても構わないという覚悟を持つ事になったマリーネが勝利した事のは色々と考えさせられた。テオも出番は少ないながらシルーカとの関係の変化、領主として成長した姿を見せてくれたのは良かったです。連合と決別し故郷に向かったテオ、シルーカがどのような戦いを見せてくれるのか。次巻も期待。2015/01/21