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内容説明
英雄皇帝の気質を色濃く受け継ぐ皇女チチェリアーナが加わり、激しさを増す皇位継承戦。さらに、版図の拡大を目指す常勝将軍、傀儡政権の樹立を画策する宰相、皇位を狙う軍団長らの野望が渦巻き、ロムニア帝国の混迷と瓦解は加速する。辺境都市アル=アラを治める皇子サイファカールも、わずかずつ勢力を拡大していたが、怖れていた事態が現実となる。それは異民族3万による帝国辺境への侵攻だった。しかも―「3万は先兵、偵察だよ。後方の本隊はおそらく10万以上」内憂の皇位継承戦と外患の異民族侵攻を、わずか5千の兵力で乗り切るべく、サイファカールは大きな決断を迫られる!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
皇帝の事故死が明らかになったことで、皇位継承を巡って皇太子だけでなく、皇子や皇女たちも動き出し、初動で彼らや将軍たちがどのように動いたかというお話。野心から帝都へ進軍するロキシーヌの留守を突いて巧みに根拠地を陥れたサイファカールは、寡兵かつ流動的な要素が多い綱渡りの状況で、北からの遊牧民襲来や、周辺との関係に巧みな手を打ったと思いましたが、一転して窮地に陥ってしまいました。撤退する予定だったはずが、民の声に応えあえて残った選択がどう先に繋がるか。別になくてもいい描写も多いですが、戦記ものとして面白いです。2014/06/21
まりも
17
各勢力も動き出した事でようやく物語が動いてきたって感じがしますね。肝心のサイファカール側は交渉がメインで大きな盛り上がりはなかったけど確実に次への基盤を作りつつ今後期待できるような展開に持って行ってくれたのは良かった。マイナスなのは相変わらず無駄に入ってくるエロシーンでしょうか。別に入れるのは構わないんですけどこういう真っ当な戦記モノだと流れを止めちゃうのが残念。次巻は11月という事ですがサイファカールはどのようにして英雄に至るのか楽しみですね。2014/06/22
S.T.
9
まったく失速せず。本作の魅力の一つは各群雄が記号的なキャラではなく、血の通った人物として描かれていることです。ラノベ的にわかりやすい無能者や悪役は一人もいません。群雄の部下にあたる副官や軍団長、その下の下士官も同様で、チートか無能かといったラノベでしばしば見られる両極端な描写がされていないのは高評価。それに比べると主人公陣営の女性陣が悪目立ちしてるのがなんとも微妙(苦笑)。それと絵師なんだけど、異常なぐらい胸が大きい絵よりも常識的な大きさの絵の方が身体の線が崩れてなくて魅力的だと思うんだけど(苦笑)。2015/10/11
尚侍
8
面白かった。今回は調略がメインということもあってやや地味な印象だったけれど、各勢力の思惑や現時点における立ち位置などが描き出されたことで、次巻以降の展開の布石となる重要な巻だったように思う。また、良くも悪くも本作の特徴であるエロシーンですが、今回はやや控え目だったこともあって個人的には好印象でした。幕間で多少脱線するのはある程度仕方ないけれど、本線で盛り上がっているところに話の進行上あまり必要と思えないエロシーンが挿入されるのはあまり好きではないので、今後もうまくバランスがとられることに期待したいですね。2014/06/28
METHIE
7
始まりの始まり回、作者も挿絵を前提にして作っているよなぁ。2015/06/15
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