内容説明
採り上げることばをセットとして扱った。たとえば、自動詞に対する他動詞、見出しの語に対する対義の語などを一括して同時に解説した。意味の記述と同時に、その語の文法的な働き(用法)にも注意した。ことばの働きは形式面からだけで処理できるものではないので、その語の用法が意味とどのようなかかわりを持っているかを具体的に示すようにした。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかとう
3
この本を買ったのは大学生のとき。それから何度も通読した。「こ・そ・あ・ど」の別や、表と裏、取ると奪うの違いなどなど、日常使用頻度が高くてもいざ明確に把握しているかと言われると答えに窮する、そんな言葉がわかりやすく解説されている。日本語に興味がある人にとっては、読み物としても面白いと思う。2009/10/13
えーてる
2
言葉の意味を調べるときには、もっと他の辞書をひいたほうがいい。しかし、世間の中で自分の立ち位置を見失いそうになったときなどは、ボクはこの辞典を開く。世界を構成する基礎日本語を哲学する。哲学するところから再び世界に立ち向かう自信を取り戻す。たとえば「する」という言葉だけで8ページも費やしてああだこうだと説を繰り広げる辞典など他には存在しない。その一点においても、ここぞという時に手元にあるだけで心強い。物事の関係性を図解で示す丁寧さも良い。2017/10/23
アンゴ
0
日本語教師は必携の一冊。 語の意味にとどまらず、用法、使用状況、不可の状況など図示を交えながら分析を披露する。 「もの」が見出し語にないなど、手落ちはあるが、普通の辞書には載っていない基礎語彙にページ数を割いて解説しており、教師が基本的な用法や語感の確認するには役に立つ。一般の人が語句の一般的な意味を知るには不向き。 ♦意味分析のポイント 主体は何か/ 対象相手は何か/ どんな文型か/ 文型と意味との関係は/ 有情と無情、意志的と無意志的/ 瞬間動作と継続動作/ 部分的か全体的か/ 行為、作用の方向や道筋2015/10/10