出版社内容情報
北欧の短い夏におきた思春期の二人の交流を、多感な少年の心を描いて定評ある作者が抒情味溢れる筆づかいで綴る。 小学校中学年から
内容説明
いま、好きな人はいますか。あなたの想いは、相手に伝わっていますか。ほんとうに好きだと伝えたいとき、あなたならどうしますか。ピアノコンクール出場を目前にしているというのに、ルードヴィヒの頭の中は「ほんとうに好きだって証明して!」というカタリーナのことばでいっぱい。さて、想いはとどくのでしょうか。海を越え、国境を越えた心の森の物語。子どもから大人まで。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
129
これは、ある男の子の初恋の物語のようです。普通の学校生活をしている主人公が友達とみずうみに遊びに行って女の子と知り合いになって、ということで始まります。ピアノを習っていたりするのでその話が後半の大きな流れとなり、コンクールとその恩あのことの話が最後に盛り上げてくれます。他愛のない話なのですが印象に残るスウェーデンの童話です。2016/07/27
lovemys
4
息子氏の習い事の最中、ざわついた待合室の中で読んだ1冊。読み出した途端に物語の中に引き込まれ、周りの雑音が一切聞こえなくなってしまった。この物語の中にあったように、水の中に潜り込み、何も見えず、何も聞こえない場所に行ってしまったかのように…。私もルードヴィヒと一緒に、カタリーナのために何が一番良いのか必死で探し求めているような感じがした。こんなに感情移入した本は、初めてかも。静かな物語だけれど、強く心に語りかけてくる部分がありました。必死で涙をこらえながら読んだ本。待合室じゃなかったら大号泣でしたよ(笑)2014/05/16
ヒラP@ehon.gohon
4
この作品の意外性は、ウルフならではのサービス精神が抑えられていることです。 一つは笑い。 私はウルフの作品のドタバタが好きです。 一つは背景の深堀。 この作品では、お互いの家庭環境があまり見えてこないのです。 最後にキーとなるメロディ。 ルードヴィヒがコンクールで弾いた曲、カタリーナの口ずさんでいた曲は何だったのでしょうか。 普段なら種明かししてくれているのですが。 この作品には、じらされてしまいました。 それだけ、二人の恋物語がストレートに描かれています。2011/09/04
がる
4
今まで読んだスタルク作品とはちょっと雰囲気が違う。 さし絵の影響もあるかもしれないけど、しっとり。読後感良。2011/03/06