出版社内容情報
鬼のうでを切りとった渡辺綱。そのうでを取り返しにくる鬼--だれもが知っている羅生門の鬼たいじの伝説を絵本化しました。 5才から一般むき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
309
赤羽末吉による絵と文。御伽草子『酒呑童子』他を原話とするが、それを自由に改変したお話。文章のリズムとテンポの切れ味が冴える。怖いお話なのだが、それを巧みにファンタジーに昇華させている。版画風の、あるいはちょっと絵巻物風でもある絵がいずれも素晴らしい。お話のリズムと相まって独特の躍動感に満ちている。渡辺綱の前に突然鬼が現れるシーンなどは迫力満点である。絵本全体で不思議な空間と世界がそこに現出する。まさに得難く優れた絵本。推薦!2023/11/06
yomineko@ヴィタリにゃん
58
読み友様からのご紹介本です📙丹波の国大江山に酒吞童子という鬼がいたが、お酒をたっぷり飲ませてつぶしたものの、手下の1人が逃げ出した。羅生門で鬼が大勢の女性を攫っているのはそのせいか?源頼光の家来のうち、一番強い渡辺綱が鬼の腕をバッサリ切り落としたが、鬼は腕を取り返しに来る。絵と文、両方とも凄く日本情緒溢れていて、非常にいいです😊2024/02/14
かおりんご
37
読み聞かせ(232)民話。表現が難しいかな?と思ったけれど、十分理解していました。おばあさんに化けた鬼が出てきたときは、「だめ!」の声。物語の世界に入り込んでいたようです。2014/12/03
chiaki
30
酒呑童子退治その後のおはなし。隙を見て逃げ出した一匹の鬼。源頼光の家来である渡辺綱に見事腕を切り落とされるも、その腕を取り返すために鬼も黙ってはいない。その激しい攻防戦は絵本ながら大迫力!綱強いなぁ〰️大江山へと帰っていく鬼はちょっとかわいそうな気もするけど。2年生読書感想画テーマ『鬼』に因んで選書中。読みたいけど、2年生には難しいかな。2020/07/20
gtn
28
本書では、鬼の住処を「丹波のくにの、大江山」としているが、京都市西京区「大枝(おおえ)」とする説がある。民話成立当時、大江山といっても僻地に過ぎ、都人は誰も知らなかったに違いない。だが、羅生門や糺の森等の地名が後に現れ、大枝ならば、物語が京都市内で完結する。なお、今は福知山市と合併したが、当時の大江町長が「鬼」で町おこししようと躍起になっていたのが、今となっては健気で懐かしい。2024/09/15
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