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出版社内容情報
やさしく力持ちの「牛女」。可愛がって育てた子供のいく末を案じて、死後も冬山に雪形になって現れた。母性の心うたれる物語絵本。 小学校中学年から一般むき
内容説明
ある村に、「牛女」と呼ばれる女が、男の子と二人で暮らしていました。あまりに背が高い大女なもので、いつも首を垂れて歩きました。力も、ほかの人の幾倍もあって、石運びなどの力仕事をしていましたが、性質はいたってやさしく、涙もろかったので、そう呼ばれたのです。女は耳が聞こえず、口がきけませんでした。そのうえ、男の子には父親がありませんでしたので、男の子のことをいっそう不憫がり、大変にかわいがって育てました。もし自分が死んだなら、何かに化けてでもでてきて、子供の行く末を見守りたいと思っていました。そして、実際、女は、病気になって死んだあと、冬山に雪形となって現れたのです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
63
身体があんまり大きいものだから、村の人たちから「牛女」と呼ばれた母親。耳が聞こえず、口もきけなかったが、自分の子供をとても可愛がっていた…。ああ、こういうのはやっぱり母親の視点で読んでしまうなあ。日々の暮らしの中での、息子との小さな幸せを想像してしまう。かつての日本の土俗的な雰囲気。高野玲子さんの素朴なタッチの版画が印象的。2021/02/16
優希
47
体は大きいものの、耳も聞こえず、目も見えない「牛女」。母としての愛情で息子と過ごす日々に感動です。2021/10/03
ナハチガル
17
母一人子一人の生活は貧しくも愛情にあふれ、その日暮らしでも悲惨さはなく、母を亡くした後は周囲の助けで立派に育ち、村を出て行た後一生懸命働いて金持ちになり、帰郷して始めた果樹園はつまづきながらもついには成功を収める。こう書くと起伏のない話のようだが、画風のせいもあってか、なにかみっしりとした魂魄とでもいうものが濃密に漂っている。凡人ならもっと波乱万丈を描き、恨みや愛情を際立たせたことだろう。どこか不気味でうろんだが、濃密な無私の愛情は、時にそういうものでもあるのだ。A+。2022/05/06
こたろう
16
千早茜さんの『神様の暇つぶし』から。愛情の物語なのか、悲哀か、はたまた執着か。どれか、ではないのかもしれない。悲哀も執着も、愛情の一部。2019/08/29
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
6年生 ブックトーク授業(夏休みのお勧め本) 国語で『川とノリオ』 https://bookmeter.com/books/107504 の学習があったので、いぬいとみこさんの紹介は朝読書でし、ブックトークは文学作品の絵本版と、長めの児童書を紹介、作者の説明もしています。 なぜ牛女と呼ばれるのかという説明と、目も見えず耳も聞こえないけれど一生懸命子育てする彼女に「かわいそう」という声がありました。2021/07/14
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