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出版社内容情報
地獄へ落とされた大泥棒カンダタに、そこをぬけ出す最初で最後の機会が訪れますが?。芥川龍之介の名作短編を絵本化しました。 小学校中学年から一般むき
内容説明
悪業の限りをつくし、地獄へ落とされた大泥棒の〓陀多。人を殺し、家に火をつけることをためらわなかった男が、一匹の蜘蛛の命を無駄に奪わず済ませたことがありました。〓陀多の中にも、一片の慈悲の心はあったのです。そのことを思い出されたお釈迦様は、血の池でもがく彼の頭上に救いの糸をお降しになりますが…。大人の絵本。小学中級以上のお子さまにも。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@鬼畜ヴィタリにゃん🎄🎅🎄
73
1匹の蜘蛛に情けをかけ、殺さなかった犍陀多にお釈迦様は1本の蜘蛛の糸をたらし、彼を地獄から救おうとするという有名なお話。絵がおどろおどろしくて非常に良かった。ようやく地獄から脱出出来るかと思った犍陀多、、、あとは皆さんのご存じの通りです🕷2022/06/05
33 kouch
68
30年ぶりに改めて読む。カンダタが、これは俺が蜘蛛を助けたから与えられ糸だと他人を排除しようとするのは、それこそ因果。自分で前世で獲得したチャンスなんだから、そんなに間違えていないような気もする…。こんな名作を素直に読めない自分に自己嫌悪を感じる。殺人や放火をしたような人間は地獄から抜けるにしてもマイナススタート。慈愛をもってはじめて天国へ脱出出来るのだと解釈することにした。2024/02/27
明るい表通りで🎶
64
芥川龍之介の名作🌠🌠🌠。極楽と地獄。この二つの世界の間に、お釈迦様の手のひらから流れる蜘蛛の糸。極悪非道を数知れず繰り返した罪人、カンダタが、地獄の中であらゆる責め苦受け、蠢いている。絵本の中の地獄絵図が、よく見ると可愛らしさが滲み出ている。蓮池の蓮。ゆらゆらウテナを動かし、金色のズイから、何ともいえない好い匂いをあたりに溢れさせている。芥川龍之介の名文から、匂いまで感じるとることができる。2025/11/10
パフちゃん@かのん変更
57
自分さえよければ・・・という気持ちを持った途端、それまで丈夫だった蜘蛛の糸が切れてしまう。芥川龍之介の文学も絵本でなら、子どもたちにも親しみやすいのでは。2013/05/12
たまきら
42
読み友さんの感想を読んで。この美しく、すべての救いが失われる容赦のない絵本は、永遠魅力を失わないんだろうな…と、何度目かわからぬぐらい読み返した今でも思います。でも、一番哀れなのは誰なんだろう?もう二度と救いが来ないことに気づいた罪人なのか、多くの罪人を救えない苦しみを抱きつづけるお釈迦様なのか、罪を裁き続けないといけない地獄の鬼たちなのか…。50過ぎても毎回様々な感情を持たせてもらえる言葉って…。やっぱりすごい作品だなあ。2025/07/05




