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出版社内容情報
子を人間に預けて裏切られる人魚の母の物語。パステルと色鉛筆の繊細なタッチが、小川未明の名作を幻想的に描き出します。 小学校中学年から一般むき
内容説明
北方の、冷たく暗い海の岩の上で、女の人魚が考えていました。「人間の住む町は、明るくにぎやかで、美しいと聞いている。人間は魚よりけものより、人情があってやさしいと聞いている。一度手に取りあげて育てたなら、決して捨てたりしないと聞いている。さいわい自分達は人間そっくりだから、人間世界で暮らせるはず。せめて自分の子供だけは、人間の世界で育て大きくしたい」と―女の人魚は決心すると、波の間を泳いで、陸の上に子を産みおとしました。人魚の赤ん坊はろうそく屋の老夫婦に拾われ、育てられて、美しい娘となり、一生懸命家業を手伝って繁盛して、幸せになったかにみえたのです―。小学中級以上のお子様にも。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
40
何度も読んだことがある。美しく悲しいお話。人魚の娘は海に帰った。人間が愚かで、人魚のお母さんに申し訳ない(-_-;)2013/10/14
はな
33
図書館本。人魚の母は幸せを願って人の手にゆだねた大切なわが子。子どものいないおじいさん、おばあさんは神様からの贈り物だと言って大切に育てて優しい子に育った。少しでも役に立とうとしたら結果としておじいさん、おばあさんを欲望に取りつかせてしまった。人はどんな名に善良な人であったとしても欲に取りつかれてしまうのだということだろう。娘は香具師が騙したから、悪いのは香具師だけだという感想でした。2015/08/19
わむう
21
ちょっと怖い童話。人間のもとに産み落とされた人魚のお話。優しい蝋燭屋の夫婦に拾われ育てられた人魚は美しく成長する。人魚が作る蝋燭を神社に火を灯して漁に出ると時化らず無事で帰れるという噂が広まる。それを聞きつけた香具師が蝋燭屋の夫婦に人魚を譲ってくれるように頼みに来る。最初は断っていた夫婦も大金を目の前にすると、とうとう人魚を売り渡してしまう。2019/05/16
花林糖
20
大好きな「赤いろうそくと人魚」の絵本版を手にするのはこれが初めて。切なく物悲しいお話だけど、何故かとても惹かれます。最後の大波と人魚の絵・表紙絵がお気に入り。酒井駒子さんの方も読んでみよう。2015/12/20
山猫
17
捨て子を拾って育てた優しいおじいさんおばあさんとごうつくばりで鬼のような心になってしまったおじいさんおばあさんとの挿絵の描き分けができていなくて、残念。この絵では読み聞かせには向かない。 本文も若干いじられているようだ。2021/11/12