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出版社内容情報
力が強く商才のある殿様ガエルが、気のいい雨ガエルたちをむりやり労働に駆りたてる。鋭い風刺のこめられた宮沢賢治の傑作。 5才から一般むき
内容説明
賢治の草稿表紙に「動物寓話集中」と記入のある一篇。力が強く、商才があり、持てるものでもある殿様ガエルが、力もなく、ただ気が良くて弱いばかりの雨ガエルたちを貸借関係のしがらみでしばって、無理無稽の労働に駆りたてます。30匹の雨ガエルたちは、数をたよって抵抗するでもなく、談合して打開の行動に出るでもなくて、最後に〈王様のご命令〉によって救われるまで滑稽なほど周章狼狽し、酷使と収奪に翻弄されるのです。人間の弱さや限界に対する賢治の諦観がうかがえます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
30
なぜアマガエル達は三十匹もいながら、打倒カイロ団長に立ち上がらなかったのかと言うは易し。その気持ちも分からぬでもない。全員が全員、自分が抵抗勢力の旗印に祭り上げられることを恐れたからだろう。あとは、つらいのは俺だけじゃないと横並び精神で忍び、神風が吹くのをじっと待つという構図。どこかの国に似ている。2021/05/09
ちえ
19
村上勉さんのカエル、カエル、カエル、で全ページ緑、緑、緑(笑)ウイスキーで酔っぱらってしまうアマガエル。家来にして無理難題を押し付けるトノサマガエル。最後は一件落着。内容よりともかく絵が楽しい。トノサマガエルはもっと憎々しくても良かったかな。2018/03/03
ほんわか・かめ
16
村上さんの絵がトノサマガエルを憎めない存在にしてくれている。身をもって反省した者を、それ以上は追求したり嘲笑してはいけない。そんな賢治の精神を表しているのかもしれない。メガホーンの一声にハッとする。アマガエルたちはトノサマガエルの言いなりになるばかりで、おかしい事はおかしいと声を上げなかった。そのせいでトノサマガエルは増長してしまった。『鳥箱先生とフウねずみ』もそんな感じだったなぁ。2022/10/05
pocco@灯れ松明の火
13
図書館(読友紹介本):勤労で真面目な労働者アマガエル、アマガエルらを操る商才カイロ団長の殿様カエル。そして、謎のカタツムリのメガホーン。 貧富格差社会を描いてるのかな。2011/08/16
海(カイ)
12
【図書館】村上勉氏の絵だったので。2017/11/08