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出版社内容情報
山猫から裁判の手助けをたのまれた一郎が、山の奥の草地で、どんぐりたちのもめごとを解決する。銅版画で描かれた幻想的世界。 小学校中学年から一般むき
内容説明
賢治の生前に刊行された唯一の童話集『注文の多い料理店』の巻頭をかざる、この作品には、差別を超越し、平等を求める賢治の思想の一環が、ストレートに提示されています。山猫から裁判の手助けをたのまれた一郎が、山の奥の草地で、どんぐりたちのもめごとを解決する―幻想的な作品世界を、猫をえがきつづけてきた高野玲子が、銅版画の技法を組み合わせて、イメージ豊かに絵本化。大人の絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Major
61
【イベント私の絵本ベスト5】第3位『どんぐりと山猫』宮沢賢治 「おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。かねた一郎さま/九月十九日••• 」黄金色の広い草原の真ん中に、大きなとんがり三角耳いかめしいいでたちで、葉巻を加えてこちらを見つめる山猫裁判官の表紙(別の表紙の物でこのレビューをUPしているが、読んだ本の検索にはなかったのが残念である)幾つもの種類の表紙カバーがデザインされているが、この表紙がもっともよい。慈しみとユーモアを湛え、なんとも楽しく不思議な賢治の描く想像世界が広がる。2024/12/12
ちくわ
46
普遍的な人間の嫌な本質を、どんぐり同士の係争で上手く例えたお話だが、自分は他にも3つの教訓を感じた。①馬車別当からは、コンプレックスは他人から肯定されると少しは解消される事。②ラストからは、評価とは多面的である事。成果が評価に直結する訳でもない。極論を言えば評価者の評価軸に沿うかどうか?で決まる。③作品全体からは、創作もリアルな観察の上に成立している事。自分が最も魅了されたのは、本筋とは無関係な途中の独創的な風景描写! 賢治が如何に自然を愛していたか…自然と触れ合い続けていたか…を存分に思い知らされた。2025/10/09
みう
45
動植物の擬人化、自然の描写がいいですね。一郎が出した裁判の答えにはなるほどと思ったし、作品全体を通して宮沢賢治のユーモアとセンスを感じ、楽しく読みました。余韻を残す締めくくりも素晴らしい。 2025/03/30
さきん
28
手紙を書いた猫がとても可愛らしかった。どんぐりの争いは、今に至る様々な紛争をつまらない理由でおこなう人間を私に連想させたのと同時に当の本人にとっては真剣なことだと思った。子供の時は、単に楽しく世界観を親しむに過ぎなかったが今読むと、現実と無意識に比較するようになっている自分に気がつく。2016/11/24
かず
25
★★★Audible。2018/01/18