出版社内容情報
今昔物語にある話の絵本化。鬼に唾をかけられ姿を消されてしまった若者が悪事を続けていましたが、自分のみにくい心に気づき・・・。 5才から一般むき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
290
舟崎勝彦の文、絵は赤羽末吉。『今昔物語集』巻十六の三十二話を出典とする絵本。文は説話のスタイルと面白さを巧みに残す、簡潔でありながら要点を抑えた優れもの。会話文も上手く溶け込んでいるが、何といっても地の文の語りのリズムがいい。絵はそれを活かしながら、さらにその上を行くほど。絵巻物を思わせる古雅な様式で描かれており、色彩も線もともに王朝風のムードを伝える。鬼の表現なども、絵巻を踏襲しながら影で巧みに表現している。教科書に載せるなら、3年生くらいか。なお、絵は国際アンデルセン賞を受賞。お薦め!2023/09/15
KAZOO
152
舟崎克彦さんの文章と赤羽末吉さんの絵が、鬼の世界を見事に描いてくれています。この話の筋はさまざまな人が絵本にしているようです。前に読んだ大納言シリーズにも同じような話がありました。ただ絵の雰囲気が異なるので見ているだけでもこちらの方が怖さが上を行く感じです。2017/01/10
yomineko@ヴィタリにゃん
65
読み友様からのご紹介本です📙大晦日の夜に侍が見たのは鬼の行列!が、襲われる事なく帰宅するが、自分の姿が見えなくなってしまったらしい。それを良い事に悪事を重ねる侍!!!2024/03/02
とよぽん
50
「今は昔。鬼が、まだ威勢のよかったころの話」、身分の低い侍が鬼の行列に出くわして・・・。侍が欲に負けて身を持ち崩すかという時、夢の中の観音様のお告げをきっかけに急展開。弱い心に打ち克って行動することの大切さを諭した物語か。やはり、赤羽末吉さんの絵が素晴らしかった。『今昔物語』が、このような形でも読み継がれるのは良いと思う。2020/10/05
gtn
29
万人が正邪を兼ね備えていることを確認。特に、世が乱れる時、いかに世に流されないかどうか。主人公は、すんでのところで勇気を出し、魔を跳ね返す。一念で、環境も一変する。2024/07/24