偕成社文庫<br> 石切り山の人びと

偕成社文庫
石切り山の人びと

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  • サイズ 新書判/ページ数 311p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784038504808
  • NDC分類 K913

出版社内容情報

権六たち悪童が支配してきた山に,持ち主と名のる老人一家が越してきた。戦時下の熊本の山地を舞台に子どもたちの生きざまを描く。   中学生から

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はる

54
太平洋戦争下の熊本の小さな町。腕白な少年の目を通して描かれる様々な人間模様。濃厚に漂う当時の空気感。悪童たちの逞しさ、したたかさが心地よい。彼らと地主のおじいさんや雑貨屋のおばあさん、担任のヒゲ先生とのやりとりが温かい。一見、皆厳しいけれど子供たちに愛情を持った優しい人たちだ。反面、土地の利権争いや社会主義者の取り締まりなど、大人の世界の厳しさも容赦なく描き出す。印象的なのは、新しい時代にしたたかに対応していく人がいる一方で、時代の流れに取り残されてしまう人たちの姿…。多くの賞を受賞した良質の児童書。2022/04/27

paf ❤︎

28
初出は1976年、偕成社の文庫でも81年。現代、こういった児童書は選ばれにくいのが残念です。閉架に埋もれてゆくのがもったいない本。人の命が今より軽い時代、ガキ大将が理解のある大人たちに見守られ鍛えられ成長していく姿に温かい気持ちになります。6年生で山羊乳で収入を得るシステムを作ったり、山の産物を子ども全員で平等には分けず上級生が多く取るという一見横暴な言い分には脱帽。本当に昔の子どもは大人。某放送局もこんな原作で良質なドラマ作ってくれたらな〜 みんな面白いものにならお金払うんじゃないかな〜 あ、脱線!2022/05/26

アオイトリ

24
方言を聞く)戦時下の熊本が舞台。権六たち、あくたれ小学生が支配してきた屋敷山に持ち主の田子老人が帰郷する。もう、楽しくて夢中で読みました。飼い慣らされていない少年たちの熊本弁が飛び跳ね、生きている。一発触発で喧嘩の始ろうという緊張の一瞬に福助の一言「とうきびはうまかばいた。一本くうたらどぎゃんな。」こんな子、絶滅しちゃったのかな。戦争や貧困、差別といった大きな理不尽に耐えて生きる人々に泣けてしまう。骨太な物語を大人にこそ、読んで欲しいです。2022/06/22

こっき

4
戦時下における様々な問題を背負い、苦労しながらもしたたかに生き抜いてゆく人たち。6年生のガキ大将を頂点にした子ども社会のヒエラルキーも興味深かった。よくも悪くもエネルギーに満ちた子どもたちの逞しさが羨ましいな。担任の先生も好人物でした。2014/10/03

カレーリーフ

2
紅白の美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」のあと、なんとなくこの本思い出した。苦学してのちに技術者になる、暴れん坊の男の子が主人公。時代は日本の戦時下。さげすまれつつも質の良い仕事をつづける主人公の父親や、特高と闘ってしまい逮捕される友人の父親など。厳しい時代だけど、親の背中を見つめつつ男の子の成長がきちんと描かれている。たくさんの、子どもを描いた小説があるけど、この話とても好き。ヤギの乳とかニッキとか、あこがれた。2013/01/08

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