出版社内容情報
不当な差別のなかでしずみがちな心を,ふるいたたせかばいあうマサとユタカ。この2人を応援する善意の人びととの心のふれあい。 中学生から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
39
第三巻。第2部となるが、第1部の舞台であるアイヌ人が少数住む地域とその中学校、時間的にも主人公の中三と中一時代が、そのまま連続して続く。父親の事故死により生家を離れるという試練も、和人の善意もあって乗り越えていく。そうした話の筋に推進力を与えているのは自然描写の巧みさだと思う。アイヌのユーカラを引用しながらのアイヌらしい自然観の描写(例えばマリモの起源を和人とアイヌのものが比較される)もさることながら、ありきたりの風景描写がいちいち凝っている。本作では、風景は人の心情の反映ではなく、力を与えるものなのだ。2015/05/14
ちょん
16
展開が波乱万丈すぎて涙の前に驚愕。もうこの子達をこんなに苦しい目に合わせないでください(´;ω;`)2021/05/23
菱沼
0
再読。内なる差別意識というもの。意識しなくても「悪気のない」言動をしないですむ品性が、自分の中にあるかどうかが問われている。2021/08/23