出版社内容情報
地元でパワー・スポットとして知られる神社を舞台に、運命でむすばれた六人の子どもたちの活躍を描く長編シリーズ第1巻。
内容説明
パワー・スポットとして、ひそかな人気の白烏神社。そこにくらす藤堂千里は、古武術の天才少女だ。祭の夜、子ども神楽の剣士をつとめたあと、うたげの席によばれた千里は、そこに、いるはずのないクラスメートたちの顔を見ておどろく。仲よしばかりではない。「敵」もいる。ぶつかりあい、まよいながら生まれる新しい関係。やがて六人は、とんでもない事件に巻きこまれていく。小学校高学年以上。
著者等紹介
佐藤多佳子[サトウタカコ]
1962年東京都生まれ。1989年「サマータイム」でMOE童話大賞を受賞してデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で本屋大賞と吉川英治文学新人賞を、『聖夜』で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク@灯れ松明の火
124
鼎談集『三人寄れば物語のことを』で俄然興味抱いた佐藤多佳子さん初のファンタジー。普通なら一対の狛犬おわす神社に、神の使い「神使」たる烏(カラス)の石像一対。けれどいつの間にか一羽消えてしまった白烏(シロガラス)神社。神域たる神社世界にするする入り込めるのは、成田美名子さん『Natural』青森バスケ合宿・IN榊原西門家のお蔭(笑)千里の古武術も、夢枕獏さんでエグい闘い読んでいるためか、VS礼生含め今後の闘いぶりが楽しみ。稲妻轟く雷雨の中、神様が訪れる場所・磐座たる星明石(ほしあかりのいし)に触れ、→2015/03/25
mocha
97
なになに!この終わり方!続きが気になってしょうがない。白烏神社の例大祭に奉納する子ども神楽のためにかき集められた、5年生の少年少女。いじめとか紆余曲折ありつつも、冒険に向けてパーティ結成するまで、という第一巻。これからの展開が楽しみだ。2015/11/18
ひめありす@灯れ松明の火
80
「三人寄れば物語のことを」の三姉妹の鼎談からずっと読みたいなあと思っていてやっと読めました。田舎の小学五年生六人組の、それぞれに矢印のベクトルがばらばらで始まる物語。子供だからって無条件に誰もが仲良くなる訳でも一致団結する訳でもない。だからこそこの物語がどんな方向を向くのか興味深い。千里ちゃんの口がちょっと悪すぎるだろう、とか美音の何となく軽んじられている空気を分ると思ったり、星司とスートの関係を微笑ましく思ったり、有沙や礼生のコナマイキさをよしよしと諫めたりと忙しくも懐かしく、楽しい気持ちで読みました。2016/03/12
ちはや@灯れ松明の火
76
好き嫌いだけで通用するほど子ども社会は甘くない。星の神と白いカラスに捧げる神楽舞、いとこと親友のナイストリオに新規メンバー三名加入、同級生でも仲良くできる保障はない。他と違えば叩かれるのは人も獣も同じ、傷を負わされた白いカラス、仲間外れが生んだ理系の絆。面白くなければ面白くすればいい、腕だけは認めあう宿敵同士、白いはばたきに集まる六つの視線。好きじゃないけど、嫌なヤツだけど、同じ目的があるのなら。雷が鳴る、空が青く光る、石が呼ぶ。好き嫌いなんて言ってられなくなるかもしれない、小学五年生、六人、十月の雨。 2015/02/13
ゆみねこ
69
上橋先生・荻原先生と佐藤先生の鼎談から、こちらのシリーズへ。白烏神社の子供神楽をやることになった小学5年生の6人。物語は巻末で大きく動いた!続きが楽しみなので2へ。2015/04/21