内容説明
タルシュ帝国がせまり、不安がたかまる新ヨゴ皇国。皇太子チャグムは罠と知りながら、隣国の救援にむかう。海を越え、チャグムのはるかな旅がはじまる。
著者等紹介
上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
立教大学博士課程単位取得(文学博士)。専攻は文化人類学。オーストラリアのアボリジニを研究。女子栄養大学助手を経て、川村学園女子大学准教授。著書に『月の森に、カミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、サンケイ児童出版文化賞)『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)『夢の守り人』(路傍の石文学賞)『神の守り人“来訪編”“帰還編”』(小学館児童出版文化賞)『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)などがある。2002年、巖谷小波文芸賞受賞
佐竹美保[サタケミホ]
1957年、富山県に生まれる。「奇想天外」の仕事を皮切りに、SF、ファンタジーの分野で多数の作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
74
強大なタルシュ帝国の力。逆らっても力ずくで攻め落とされるのは時間の問題だ。しかも、帝である父親はチャグムの力を恐れ、暗殺しようとしている。自分の神の力を信じ、近隣諸国と手を組むこともしない。八方塞がりの状況の中、チャグムは一人で何とかするために動き出した。この力はバルサやタンダと暮らした日々の中で培われたものに違いない。そして一人で頑張るチャグムを必ずやバルサたちが見つけて力を貸すだろうことを期待する。2014/12/08
まるる
55
若き青さゆえに政治のコマにされるチャグム。帝は最初から気に入らなかったけど、ますます憎たらしい。旅人シリーズはバルサの出番がなくて、ちょっと寂しいと思っていたけど、ここにきてチャグムの物語も俄然面白くなってきた。チャグムの成長していく姿にバルサを感じる。人間的魅力も溢れてきた。守り人シリーズを読み終わってしまうのが惜しくて、少しずつ読み進めてきたけど、こんな終わり方をされては続きが気になって仕方ない。一気に読んでしまいそう。2016/12/15
まりもん
47
次女に借りて読了。チャグムはまだ帝に命を狙われる生活なんだと思うと気の毒でならない。今回は罠にはまってさらわれ、国の大事の為の取引を1人で考えたりと忙しい。2016/06/18
ケロコ
39
すっかりポッシュ版が気に入り、敢えてこれを借りました。挿し絵がいいのよ(笑)今回はチャグムのお話。シュガがあまり出てこなかったのが残念だったけれど、ジンやルィン、セナやヒュウゴとのやり取りの中でチャグムが成長していく姿に感心しきりだった。ラウルの考えには私も恐れ入ったけれど、人を人が支配することはそう簡単にはいかない。力で制すれば思いに負ける時が来るのだ。あっと驚くラストにどぎまぎした。今の季節が冬だからか?チャグムが心配でたまらないのである。2015/03/07
れいぽ
38
まさに芳醇なファンタジー。チャグムの成長もまぶしいが、セナやヒュウゴといった脇役も血が通っていて素晴らしい。運命に翻弄され続けたチャグムは運命に戦いを挑む。新ヨゴ皇国の民の運命を背負って。新しい冒険への第一歩を踏み出したとき、ナユグもサグも混沌となりチャグムを包み込む。「あなたに、ヤルターシの恵みのあらんことを。」2010/09/09