内容説明
ロタ王家に仕える隠密シハナの罠にはまったバルサ。一方、みずからのふるう“力”を恐れつつも、アスラの心は残酷な神へ近づいていく。待ちうける運命から、バルサたちはアスラを救えるか?小学館児童出版文化賞受賞。『精霊の守り人』からさらに広がる世界・守り人シリーズ、軽装版第六弾。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まるる
71
下巻になって前作チャグム編と同時進行の話だとわかる。世界が繋がり広がった。ファンタジー仕立ての冒険活劇の姿を借りて、命の重さ、神の在り方、人それぞれの正義に対して考えさせられる。まるで今の社会情勢を映したよう。これを書き上げた直後に9.11のテロが起きたとのこと。児童書だからと侮れないテーマの重さ。まったくもう面白すぎる!、少しずつ読み進めてきたけど、このまま一気に読んでしまいたくなる。でも読み終わってしまうのは寂しい。うーむ悩ましい2016/04/11
絳楸蘭
38
うわぁ〜ってしか出てこない。アスラ、12歳の少女の決断が…。12歳の少女にそういう決断をさせた大人が…。誰がいいとか悪いとかじゃない。どうしようもないことの中に巻き込まれてしまったのだ。でも、それって回避できなかったの?と思ってしまう。それができないからこうなってしまったんだけど。国なんてこんなものさ!って言ってしまえば楽なんだけど、今の世の中に当てはめたらそんなこと言ってられない。しかも国までいかなくても、県、街、職場…身近なところにも当てはまることだもの。社会を為すって簡単じゃないことがわかるから、→2014/03/25
まりもん
34
アスラの中にいる神を利用して自分の思惑通りになるように計画を練るシハナ。それを何とか阻止しようとするバルサ達との攻防にドキドキした。2016/06/02
マッキー
34
上下巻、読み応えがありました! 世界が広がっていき、人物も増えるけど、スルスルと読めます。神について、バルサが思慮深く語るシーンが印象的でした。このシリーズを読むたび、信じること、懸命に生きることの大切さについて、改めて考えさせられます。2015/04/17
akane_beach
32
長編で読み応えあった。もうこれは子供向けの内容ではないですね。それぞれの正義。平和のためだという戦いや無差別の殺戮。疑わしきは罰する狂気の魔女狩り。集団心理の怖さ。洗脳。情報操作。現在の社会の不穏な雰囲気や緊張感にも通づるところがある。今までの守り人シリーズどの作品も面白かったけど、私今これが一番好きかも。もう一回読もう。「虚空の旅人」にも時期が重なっていてロタ王ヨーサムがサンガル訪問中に事件が起こるのでそこらへんの伏線も確認したい。2015/06/07
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