内容説明
海にのぞむ隣国サンガルに招かれた新ヨゴ皇国、皇太子チャグム。しかし、異界からの使いといわれる“ナユーグル・ライタの目”があらわれ、王宮は不安と、やがて恐怖につつまれる。海へと消える運命の者を救うため、呪いと陰謀のなかをチャグムは奔走する。『精霊の守り人』からさらに広がる世界、守り人シリーズ4作目。
著者等紹介
上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
立教大学博士課程単位取得。専攻は文化人類学。オーストラリアのアボリジニを研究。女子栄養大学助手を経て、川村学園女子大学准教授。著書に『月の森に、カミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、サンケイ児童出版文化賞)『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)『夢の守り人』(路傍の石文学賞)『神の守り人・来訪編、帰還編』(小学館児童出版文化賞)『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)などがある。2002年、巖谷小波文芸賞受賞
佐竹美保[サタケミホ]
1957年、富山県に生まれる。「奇想天外」の仕事を皮切りに、SF、ファンタジーの分野で多数の作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
85
チャグムの成長が頼もしい。バルサは出てこないが、バルサに教えてもらったチキのおかげでタルサン王子と親しくなるきっかけをつかむ。チャグムは優しさと勇気と多少の武術、異界を感じる特技、タンダに教えてもらった呪術の初歩を持ち、今タルサン王子やサルーナとの友情も持つことになり成長が嬉しい。シュガとのコンビもバッチリで頼もしい。ただ、個人としての思いと皇太子としてあるべき姿とのジレンマに苦しむのが辛いところだ。2014/11/20
まるる
63
成長したチャグムの物語。まだまだ青い所はあるけど、きっといい王様になるのだろう。今のチャグムをバルサに見せてあげたい。あなたと過ごした時間を肥やしにして、こんな立派な青年になりましたよって。2016/03/29
みっこ
57
海辺の暮らしを夢見る私にとって、サンガル王国の文化風習は興味深いものでした。美しい挿絵に想像を助けられます。特に海の上で暮らすラッシャローは憧れ!心優しく誠実に育ったチャグムに会え、胸が熱くなりました。シュガの反対を退け、タルサンとサルーナを助けると決めるシーンが好き。そしてその支えとなるのはバルサたちと過ごした日々だと思うと、なんだか嬉しくなります。自分の危うさを認識し、あえて危うさを持ち続けたいという覚悟。どこの国でも王家には陰謀が渦巻くもの。彼の夢が叶う日が来るようにと願わずにはいられません。2015/12/26
絳楸蘭
41
旅人はチャグムが主人公なのね。母親に抱かれて眠そうな目をしていた時から3年。皇太子として他国を訪問し自分の考えで人を動かせるまでになるなんて…。環境って大事、物事を知るって必要なんだなぁと改めて感じた。ここまでの努力をしてきたのはチャグム本人だけど、そうさせる切っ掛けをつくった二ノ妃が凄いと思う。さまざまな喜びを知りながら生きていさえいればいい…だから手離すって。そうは思ってもなかなかできないことだと思う。二ノ妃の母の愛とバルサやタンダ、トロガイ師、シュガとの出会いがチャグムを成長させたんだな。→2014/03/24
まりもん
32
次女に借りて読了。チャグムが外交をどうするのかなと思っていたら呪術関係に巻き込まれてしまったりして大変なことに。カリーナもなかなかの狸だと思いながら読了。2016/05/07
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