出版社内容情報
ヒロシマ原爆投下のあとを、生き抜いた10代の若者たちは、生き残った哀しみを記憶することで生きる力を得ようとする。魂の救済の物語三編。
内容説明
あの朝、ヒロシマでは一瞬で七万の人びとの命が奪われた。二十万の死があれば二十万の物語があり、残された人びとにはそれ以上の物語がある。なぜわたしは生かされたのか。そのうちのたった三つの物語。
著者等紹介
朽木祥[クツキショウ]
広島生まれ。被爆二世。上智大学大学院博士課程前期課程修了。『かはたれ』で日本児童文芸家協会新人賞、日本児童文学者協会新人賞ほか受賞。『彼岸花はきつねのかんざし』で日本児童文芸家協会賞、『風の靴』で産経児童出版文化賞大賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
221
泣けて泣けて・・いいのだよね泣いてもね。何がどこで境界線になるのだろう。私たち日本人は、あの日の事を私たちのものとして覚えていなければならないと思う。語り継いで行くのだ。この国の人間としてそれは生きる意味でもあるのだと思う。『二十万の死があれば二十万の物語があり、残された人々にはそれ以上の物語がある』のだ!自然災害・地震・津波・・自然には敵わないけれど、原発・戦争は人の手で、思いで止められるはずなのに、いまだ地球上から無くならない。2018/08/23
おしゃべりメガネ
97
ボリュームは150頁弱ながら、広島の原爆の話ねので、インパクトはとてつもない作品でした。三編からなる連作集で、8月6日の広島原爆にまつわる話が被爆者やそこにかかわる人々の目線で綴られています。1日のあの一瞬で七万の人々の命を奪い、最終的には十万人の死者を数えるコトになった原爆の悲劇。亡くなった方と被爆しながらも生き残るコトができた人々の話がリアルに悲しくもドラマチックに綴られています。原爆から78年、決して忘れてはならない出来事であり、広島だから、長崎だからではなく日本人としてしっかり記憶すべきかなと。2023/08/30
はる
95
普通の人びとの物語だ。幸せに暮らしていただろう。戦争さえなければ。原爆さえ落とされなければ。凄惨な情景。張り裂けるほどの悲しみ。静かな語り口だが、壮絶な世界に直面して、わたしはただ呆然としてしまう。目をそらすな。忘れてはならない。伝えねばならない。2017/11/20
nyaoko
93
「この本を読んでください」コミュでのオススメ本。広島に住んでますが、この本は知らなかったです。勿論、作者の朽木さんも(被爆二世、そして女性なんですね)原爆投下されたあの日、八月六日の朝。一瞬で街が消え、人が死に、日常は失われた。あの惨劇を、あの地獄を、その目でその耳でその体で記憶する人は年々亡くなられている。親世代から子世代、そして孫世代へと、語り継ぐ原爆の記憶は決して途切れさせてはならない。これは児童書だけど大人に、広島に行ったことない人に読んでほしい1冊。「カープ1975」「夕凪の街桜の国」と合わせて2017/11/12
ゆみねこ
79
8月6日月曜日、8時15分。たった一発の原爆で、多くの人の命とあたりまえの日常が奪われた。この本では3つの物語ですが、心に大きく突き刺さりました。これは多くの人が読むべき1冊ではないでしょうか。お薦めです。2018/08/30
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