出版社内容情報
時を越えた愛を描く「赤いタイプライター」「重たい鞄」など、骨董屋<うす灯>を通して語られるさまざまな愛の物語、連作七話。 中学生向
内容説明
あなたの「愛」もきっとここにあります。七つの愛の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
59
骨董屋うす灯を舞台にした7編の短編集。最初の赤いタイプライターから惹きこまれ、欲しくて堪らなくなったサチさんが、毎朝寄り道して売れていないのを確認した気持ちがとても共感できました。ある人にとっては、どうしても忘れられない強い気持ちを抱く物。それが骨董なのかもしれません。未来の夫を50年も待ったルイズ。待った甲斐があって本当によかったです。それはマックにとっても同じ。穏やかな生活の幸せに幸あれ。2016/10/24
はる
51
読友さんの御感想から。不思議な骨董店を舞台にした短編集。「うす灯」のように仄かな世界。少し古風な雰囲気が心地いいです。時を超えた想いが宿る物たち。時の流れは温かく切ない。年齢を重ねた大人にこそ響く物語でした。2016/10/15
草食系
38
必要な人に必要な物を。悩み事や完結していない思い出を持っている人が辿り着く骨董屋。やる気のなさそうな店主、期待通りのおじいさんの風貌、必要なのはこれでしょうと、買って帰る登場人物たち。みんな愛情のかけらを携えて、晴れやかにあるいは解せないように帰って行く。初々しい恋から如何ともし難い愛まで抱えてる荷物は様々で、普段は忘れていてもふとした時に蘇る、愛の思い出は根深く息づいていると嘆息。2014/07/19
森の三時
37
長く使っていた物には人の心が宿っている、あるいは、年月を経てやがて心を宿していく。骨董品を見るとそんな気持ちになります。骨董品店の「うす灯」の品物にまつわるちょっと不思議な愛のエピソード七編。心の周波数を合わせるとセピアの写真がカラーに変わる瞬間がある。2021/12/27
coco
37
いろいろな「愛」が描かれた7つの短編集。心がほわっと温かくなる話が多いけど、なかには切ない話も。ほのかな灯に包まれるような、不思議な雰囲気をまとった物語たちでした。もう絶版なのがもったいない。。2014/10/20