出版社内容情報
小学6年生、越の一家は、妹つぐみの化学物質過敏症が治らないため、埼玉県から富士山の見える山梨県に引っ越す。都会から南アルプスのふもとへと大きく環境が変わった越は、複雑な思いで地元の中学校に通う。母親は、地元の食材を使った自然食の食堂をオープンさせるが、この地域の有力者からいやがらせにあい、お店もなかなか軌道に乗らない。埼玉時代の親友、直登から夏期講習にさそわれた越は、同じ中学に通う結衣と塾のセミナーに参加するも、つぐみがマムシにかまれたという緊急の連絡が入り、急きょ家にもどる。著者の実体験をもとに書かれたある一家の再生の物語。
内容説明
妹つぐみは、化学物質過敏症。とうさんとかあさんは、田舎への移住を決めた。コンビニまで自転車で何分?ケータイの電波は?自分の将来は?この先、ぼくら家族はどうなっていくんだろう?小学校高学年から。
著者等紹介
森島いずみ[モリシマイズミ]
秋田県に生まれる。通訳業のかたわら児童文学を書きはじめ『パンプキン・ロード』(学研教育出版)で第20回小川未明文学賞大賞、『あの花火は消えない』(偕成社)で、第63回産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。福島県から山梨県に移住し、現在に至る
しらこ[シラコ]
1996年岐阜県に生まれる。大学で建築とデザインの勉強をした後、海外の技法書を読んで風景画を学ぶ。現在は児童書の装画を中心に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ぽけっとももんが
12
いい子すぎるよ、越。化学物質過敏症の妹つぐみちゃんのために一家をあげて南アルプス市に移住、料理自慢のおかあさんはレストランを開き、おとうさんは独立してwebデザインの仕事。つぐみちゃんの事情はともかく夢見てんなぁ、オトナたちは。ワンコインランチは競合の多いところなら武器になりそうだけど、田舎でわざわざ足を運ぶなら逆に高めの方がいいんじゃないの?そっちが主眼ではないんだけど、つい。それに田舎の人はなかなか近所の飲食店には行きません。 2020/07/13
HNYYS
9
図書館本。田舎というと語弊があるかもしれませんが、移住の難しさを感じてました。しかしながら、化学物質過敏症という体質を家族がみんなで受け入れて家族で決断をするところに温かさも感じました。2020/05/11
おーうち
6
つぐみ。いい名前だ。なずな、お店の名前。ピコ、越の助けたツグミを呼んでいた名前。越、お父さんお母さんの知り合ったベトナム。名前だけでストーリーが出来上がるくらい美しい。慎太郎や時田さんが出てくる。浦和から山梨に引っ越した家族。自然の中に暮らす憧れもあってワクワクしながら読んだ。お店のなずなはうまくいっていないけど、つぐみ病気もお店のなずなもこれからうまくいくだろうというところで終わる。家族、お母さんを中心にした現代の核家族を描いていると思う。自分からみればえこ贔屓に見えるけど我が家もそうなのだろうと思う。2020/10/17
みーさん
6
越の妹つぐみは化学物質過敏症で、症状が軽くなることを願って、一家は南アルプス市に移住する。母が始めた食堂の経営は土地の人の無理解によって思ったように上手く行かない。その中で事件が起きる。2020/06/28
奏
5
妹のつぐみは化学物質過敏症で、学校生活を送ることがてきなくなってしまう。兄の越が中学生になるタイミングで家族みんなで浦和から山梨の南アルプス市に引っ越しすることに。越の家族をみつめる目がやさしい。著者の森島さんも福島から山梨に引っ越しされているとのことで、自然の描写にリアリティーあった。最後のシーン、タイトルへとつながっていく場面がとても印象的。静かな物語2021/12/10
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