内容説明
「心のなかでは泣きさけんでるのに、だれも気づいてくれないとき、どうすればいいっていうの?」ロンドンで怒りに満ちた日々をすごす12歳のスカーレットは母親にも愛想をつかされ、大嫌いな父親の暮らすアイルランドへと送られる。そこで出会ったのは、新しい家族と不思議な少年キーアン。美しい丘と湖に囲まれて、彼女は少しずつ心を開いていきます。
著者等紹介
キャシディー,キャシー[キャシディー,キャシー][Cassidy,Cathy]
イギリスのコベントリー生まれ。リバプールの美術学校で学んだのち、少女向け雑誌の編集者や人生相談の回答者を長くつとめ、教師をへてベストセラー作家となる。2010年には主にイギリスの十代の読者の投票によって“Queen of Teen”作家に選ばれた。現在、家族とともにスコットランドに在住
もりうちすみこ[モリウチスミコ]
福岡県生まれ。九州大学教育学部卒業。訳書『ホリス・ウッズの絵』(さ・え・ら書房)が産経児童出版文化賞に、訳書『真実の裏側』(めるくまーる)が同賞推薦図書に選ばれる
大高郁子[オオタカイクコ]
兵庫県生まれ。イラストレーター。京都精華大学デザイン科卒業。現在、同校デザイン学部特任准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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杏子
9
両親の離婚に傷つき、反抗的態度を取り続けていたスカーレットがしでかした不始末に、とうとう母親の堪忍袋の尾が切れて… スカーレットは別れた父親の住むアイルランドに行かされることに。最初は憤慨してトラブルを起こしてばかりいたが、黒馬にまたがって現れた謎の少年キーアンに出会うことでスカーレットは少しずつ変わってくる。親の愛情に飢えていた少女がもがきながら立ち直るまで。アイルランドの魔法が働いたのか… 義理母クレアの愛情か義妹ホリーのくったくなさのおかげか。最後は暖かな結末が。贈り物のように残されたサンダルは魔法2013/07/13
timeturner
3
初めのうちは主人公の怒りが痛すぎて辛かったけど、アイルランドの自然と変わりやすいお天気の中にいたらなんとかなるような気がしてきた。やっぱり魔法かも。2016/07/22
dumpty
3
両親の離婚をきっかけに反抗的な態度ばかりを取るようになったスカーレット。問題を起こして転校を繰り返し・・・。よくあるパターンな話をそれだけで終わらせなかったのは、魔法がいまでも存在するアイルランドが舞台だからかしら。2011/07/25
mikamika
2
面白かった!親の離婚で生活が一変し、いつも心に怒りをためている少女の物語。子どもって自分の気持ちをなかなか言語化できないけど、この本を読むと、少女の気持ちがとてもよく伝わって、ほんとは傷付いているんだよねってことが分かる。でもじゃあ親が悪いのかっていうと、親も親なりに人生をよくしようと頑張ってるわけで、怒れる少女と家族との距離がどう変わっていくのかも見所。ほんのり涙のとてもいい話だった。2017/10/16
みとん
2
大好きだった父が、母とは別の女性を好きになり離婚した。それからグレはじめたスカーレット。何をしても悪者にされ、学校を何度も転校したが馴染めずに退学させられる。あまりの手のかかりように、母からは見放されて「アイルランドの父のもとで暮らすように」と最終宣告。嫌々だったスカーレットは、その学校でも我慢できずに飛び出してしまうが、湖で不思議な男の子キーアンに出会い、父の再婚相手クレアたちの愛情にも支えられ、どんどん代わり始める。スカーレットの一人称だったけど、あまり突拍子もない言い回しもなくて、読みやすかった。2014/12/25