内容説明
いやだ。だって、女の子のもんだよ、詩なんてさ。男は書かない。けれどジャックは書いてみた。きっかけは、紙とパソコンと先生とそして犬―。ジャックは書きつづけた。詩と少年と犬の物語。
著者等紹介
クリーチ,シャロン[クリーチ,シャロン][Creech,Sharon]
1945年米国オハイオ州クリーヴランド生まれ。英国とスイスの高校で英語教師として働いた後、作家となる。1995年『めぐりめぐる月』(偕成社)でニューベリー賞、2002年『ルビーの谷』(早川書房)でカーネギー賞を受賞
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年岡山県生まれ。法政大学社会学部教授。翻訳家。ヤングアダルト作品を中心に、翻訳書多数。エッセイや評論などの分野でも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
19
詩なんて女の子のものだから男は書かないと言うジャック。最初は文章を書く事にも慣れていないので、文字も少なくそっけなくて、仕方なく嫌々書いている様子がありありと伝わってきます。(笑)ジャックの詩に対する素直で素朴な疑問、目から鱗な指摘。元々の感性が鋭いのね。見えていなかったものが、ある日突然に知恵と世界が開かれ見えるように。言葉が形になって見えるって言えるんですもの。そして、大好きな犬の事を詩に書いて・・・私は読んで、胸を鷲掴みにされたような思いがしました。言葉の花を咲かせた少年と詩と犬の物語。オススメ♪2011/06/12
april-cat
18
詩を書き始めた男の子の話を詩で綴ってある、といえば良いか。アメリカにはこういう詩を身近に感じる話がちらほらあるのがうらやましい。詩が生活になじんでいるのかな。最後にのっている詩も素敵。後書きで金原さんが小説と詩だったら詩の方が好きだと書いていたのは、正直意外でした(笑)2013/06/13
ピンクピンクピンク
15
戌年1発目の読書に。ある少年が詩に出逢い、マネをしながら自分の詩を創り、ハマっていく。少年の言葉のみが日記の様に綴られていく。少年の想いそのままの言葉となることで、ありのままの風景感傷が浮かび、ほっこりしました。初読みで優しいスタートを決められました、ありがとう。2018/01/02
杏子
14
詩だけど物語になってる! こんな本は初めてでした。詩なんて女の子のものだよ、書かないよと言ってる男の子が、先生の読んでくれる詩に感動して!出てくる言葉を借りて自分の心を綴っていく。掲示板に貼ってもいいよ、でも名前は書かないで。男の子の心が直接手にとれるように、まっすぐ響いてくる。あの犬が好き。宝物のように、心にそっとしまっておきたい詩です。2009/04/04
仮ッ子
12
読んでいくうちに少年に何があったのかが明らかになっていく。巻末に作品中、少年が先生に読んでもらった詩が掲載されている。それを読みながら再読すると、少年の心をより深く感じることが出来る。じんわりきます2009/04/08