出版社内容情報
全身に色とりどりのタトゥーをいれたマリゴールドは、気まぐれだけど、ドルの世界一すてきなお母さん。少女の母親への愛情を描く。作家自身が最も気に入っているという長編。
内容説明
全身に色とりどりのタトゥーをかいた、マリゴールド。気まぐれで、お酒がすきで、働くのはきらい。お姉ちゃんは、おこってでて行っちゃったけれど、マリゴールドはあたしにとって、世界一きれいで、楽しくて大すきなお母さんなの。イギリスのベストセラー作家ジャクリーン・ウィルソンの長編。ガーディアン賞受賞作。中学生から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
25
表紙イラストが子供っぽいが、内容は情緒不安定な母親と生きる姉妹の物語でかなりシリアスだ。この時代に既にヤングケアラーが取り上げられていたのは早い。本編は10歳のドル視点だが、13歳のスター視点だと、もっとヤングケアラーに焦点を当てた内容になったはずだ。先にマリゴールドから離れるのはスターだ。ドルがマリゴールドの奇行を見ても好きでいられたのは、相当スターがフォローしてきたからであることが、彼女の台詞からも伺える。マリゴールドがやっと33歳、スターは20歳で生んだ、ドルの実父は、彼女の存在すら知らなかった。2023/07/31
ぱせり
14
様々な問題を抱えつつ互いを大切に思う、だんごのような三人が、最初は、不安で不安でならなかった。でも、いつでも安心してSOSを発信できる場所があるなら、一人ひとりの声をきちんと拾って呉れる人がいる、と信じられるなら、この親子は、家族としてやっていける。沢山の足りない部分をを突き抜けるような三人三様の輝かしい才能が大きく花開いてほしい、と願う。 2015/12/18
ヴェルナーの日記
7
主人公ドル(ドルフィン)は、異父姉妹の姉スターと母親のマリーゴールドの3人暮らし。マリーはシングルマザーで、酒好きの仕事が嫌いで生活保護を受けてて体全身にタトゥーを入れている。しかもマリーは精神を病んでいて(双極性障害、もしくは躁うつ病)、それは内緒。ソーシャルワーカーにばれると、3人はバラバラに暮らさないといけなくなるから。本作を読んでいて心が痛い…、と同時に心が冷めていく。主人公ドルの頑なまでなネガティブ思考がよく解るから。いわゆる同属嫌悪だ。姉のスターの気持ちも理解できる自分も似た境遇に遭ったから。2013/08/12
杏子
5
何というか… 私たち日本人の常識から見たら、とんでもない! って感じなのだが。体中、タトゥーだらけのダメママでも、子どもにとっては唯一の大好きなママなんだろうな。ドルの姉スターにとっては、たまらない状況だったんだろうけど…。それでも…ってのはある。最後のところの急展開には、唖然だったが。お父さんが見つかっちゃうのも……だけど。マリーゴールド、立ち直って欲しいな。2010/07/17
くろねこ
4
ドルがけなげで……。マリーゴールドが早く治るといいな。彼女も大変だろうに。2009/05/24
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