出版社内容情報
数世代にわたる、あるユダヤ人一家の歴史を、代々伝わるお菓子作りとあわせながらユーモラスな語り口で描いた小さな年代記。 小学校高学年から
内容説明
ねり粉をうすく、うすーくのばして、あまく煮たリンゴやクルミをつつみこんでくるくるたたんでオーブンへ。一家に昔から伝わる伝統のお菓子を焼きながら、台所で語りつがれていく家族の歴史。一世紀にもわたる、ユダヤ人家族の歴史。
著者等紹介
ロックリン，ジョアン［Ｒｏｃｋｌｉｎ，Ｊｏａｎｎｅ］
アメリカの作家。小学校の教師、心理学者として活躍ののち作家となる。『シュトルーデルを焼きながら』は、多くの書評にとりあげられ、高い評価を受けている。ロサンジェルス在住
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バニラ風味
27
シュトルーデルはよーく練った生地の中にりんごなどを包み、馬蹄形にしてオーブンで焼いたお菓子。ナッツやスパイスが入ったりと、味は少しづつ変わっていきますが、その本質は変わりません。そして、実はシュトルーデルを作り、食べる上で一番大切なことは「お話」。ユダヤの一家が経験してきた、迫害や移住などの悲しいこと、病気が治癒したこと。悲しいことも嬉しいことも、シュトルーデルの味になります。子どもたちは、大好きなシュトルーデルを食べながら、引き継いでいきます。一家の歴史や生きてきた証を。2016/01/13
星落秋風五丈原
16
髪を刈られ、姓名を剥ぎ取られ、財産を奪われながら、料理という 文化を深く静かに守り続けた彼等の涙と汗と思い出が、 これからもシュトルーデルに幾重にもくるまれてゆく。 平易な文章でこれらの話を子供にもわかりやすく解きあかした物語。2002/04/29
inarix
8
シュトルーデル。ユダヤ人家庭に伝わる伝統のお菓子。焼いている時間はお話の時間。お話は熱いオーブンにそっと入っていって、シュトルーデルの皮をなめらかにし、砂糖をいっそう甘くする。焼きあがったとき、お話は薄切りリンゴのあいだにしっかりはさまっている。シュトルーデルはお話の味がする。19世紀末ロシア領オデッサ、黒海のほとりから始まり現在のアメリカへ。100年にわたって連綿と続き、語られるユダヤ人一家の物語。苦難を乗り越えて生きる家族の絆。辛い過去さえも語り継がれていく未来があるという希望に満ちた児童文学。 2013/12/23
けいにゃい
5
【YAの会】シュトルーデルというユダヤ人の伝統なお菓子をつくりながら語られたいくつものお話。お話がシュトルーデルの中に織り込まれて美味しくなるという。お菓子を作りながら祖父母や親戚の話を受け継いでいく幸せな時間。どうしてもユダヤのお話は読むのが辛くなるものが多い中で家族の温かい絆が描かれた素敵な本でした。2023/02/23
suiu
5
こんな名作が公立図書館のリサイクル本に登場してしまうとは。。。。 私としては入手出来てラッキーだけど、その分だけ、人の手に取られる機会が減るのは非常に残念。 シュトルーデル食べたい！2014/11/08
