出版社内容情報
両親の離婚にふりまわされる姉弟が,周囲の大人たちに助けられながら,それぞれが必死に立ち直ろうとする姿を描く。 小学校高学年から
内容説明
見てごらん、あの上、女の子が赤い屋根にのって飛んでるよ。ずっと高い空を、雲をかいくぐるみたいにして。ほら、黒いおさげの髪がたなびいて、それでかじをとってるみたい。子どもが、心からくつろげる場所、いざというときとびこめる人のいるところ、を描こうとするヘルトリングの新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
53
【児童書】作者のヘルトリングは12歳で父を、13歳で母を亡くした。『子どもに我が家を!』と常に叫び続けてきたが、ドイツでは離婚立が高く、産みの親に育てられている子供は50%も居ないという背景も影響しているのでは。今回の主人公レーナと弟のラルスも父母の離婚に直面し悲しみ怒り苦しむ様子が書かれている。両親共に愛する故に苦しむ子供達が可哀想でならない。子供達が本当に寛げる場所、いざという時に胸に飛び込める人のいる場所を作るのは大人の役目であると作者が切に訴えているのが読み解ける。1222019/04/17
航輝
7
図書館本 両親のケンカから始まる離婚劇に対する子どもたちの想いを書き記された一冊 弟は大胆な考えを持ってる ケンカばかりの両親から離れて暮らす間の子どもたちの想いが痛いほど伝わってくる2023/05/18
ヒラP@ehon.gohon
1
両親のけんかと離婚劇に振り回される、娘のレーナとその弟のラルス。 不安な気持ちで、なんとか両親をつなぎとめようとする子ども心をとても痛々しく感じました。 裁判所で、ラルスが語った、「自分たちは親に望まれて生まれてきたと言われるのに、どうして親は自分たちの望むようにはなってくれないのか。自分たちにはどちらも必要だ。」という訴えが心に響きました。 屋根に乗って立ち上がるレーナの姿に象徴されるように、子どもたちは親の問題の荒波の中で翔ぼうとしたのです。 2012/07/19
そら@真面目にダイエット中
1
いつもいつも喧嘩ばかりしている両親、両親の喧嘩が恐くて嫌いで居場所を見付けられない子供達の物語です。結婚生活がうまく行かなくなってしまったのは仕方ないし、離婚するのも仕方ないかもしれない。でも、子供の気持ちも考えなくてはいけないし、子供の意見も聞かなきゃいけないんだ、そう思わせる内容です。2009/09/16
ぱせり
1
両親の離婚の「原因」は決して子どものせいではない。だけど、その「結果」は、子ども達が抱えなければならない。なんと言う理不尽。こういう子どもが感じなければならない理不尽さって、他の状況でもたくさんあるように思う。だけど、子ども達は成長する。子ども達の成長を知り、その力を借りて初めて一歩踏み出すことができる親。それでも、子ども達はいつのまにか親の痛みをわかろうとするほどに大きくなっているのだということを、わたしたち親は惨めさの中でかみしめたい。2009/03/12