出版社内容情報
知恵のかぎりをつくして生き伸びようとする若き雄オオカミと,イギリス最後の一頭を追うハンターとの死闘を描いた物語。 小学校高学年から
内容説明
10歳の少年ベンが、見知らぬ男に、オオカミのことをもらしてしまったのがまちがいだったのだ。その日から、その男、ハンターは、オオカミ狩りに異常な執念を燃やしはじめる。知恵のかぎりをつくして生きのびようとする若き雄オオカミと、イギリス最後の一頭を追うハンターとの死闘の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
207
記録によるとイングランドにおける狼(ヨーロッパ・オオカミ)は、イギリスではヘンリー7世が統治中であった16世紀初頭に殺害され、スコットランドでは、オオカミは広大な焼失した森林で長く生存でき、1684年までサザランドとブレーマーで生き残った。 アイルランドでは1786年に最後のオオカミが殺されたとされている。ちなみに日本では1905年(明治38年)1月23日に、奈良県吉野郡小川村鷲家口で捕獲された若いオス(後に標本となり現存する)が確実な最後の生息情報とされている。2017/08/19
るりこ
5
好きな作家さんなのですが、これはちょっと読中・読後感があまり良くないです。ハンターはなぜそこまで執拗に殺すことにこだわるのか。救いも何もないのがつらい。感情移入は断然オオカミ側。2015/01/05
悟空
4
どこまでがフィクションなんだろう。この焦燥感はどこから来るんだろう。ハンターが追い詰めて殺していくオオカミにはそれぞれ名前がついているのだが、ハンター自身の名前が一切出てこない。そこに作者の意図を感じる。人間は傲慢で貪欲で残虐な生き物なのだということなのか。子ども時代に読んでいたらどんな感想を持ったのだろう。それにしてもオオカミはカッコよかった。1994年初版。改訂版や新装版は出てないのかな。2023/06/01
いそちゃん
2
一気読み!追うハンターと追われるオオカミたちの知恵比べに手に汗握りエンディングへ。人に媚びない孤高のオオカミたちが格好良かった。ハンターの執拗さに嫌悪感。読後に表紙絵をもう一度見る。あ、グレーカブの目には…。2023/06/30
魚
2
小学生くらいの頃に、何回も読み返した本です。残酷なハンターから逃げつづけるオオカミの話です。追うハンターの策略と追われるオオカミの知恵の攻防が大好きでした。