内容説明
港町でくらす白ねこシュレミールは、ふとしたことから全自動小型潜水艦アルムフロッサーに乗りこんでしまう。ものを思う潜水艦とねこの海洋冒険小説!児童文学の名手、斉藤洋の初期傑作を新装版にて待望の復刊。小学上級から。
著者等紹介
斉藤洋[サイトウヒロシ]
1952年、東京都に生まれる。中央大学大学院文学研究科修了。現在、亜細亜大学教授。1986年『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞を、1988年には、その続編『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞を受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Te Quitor
11
猫のシュレミールが不意に乗り込んでしまった船。船の名は海軍攻撃型小型潜水艦U-5114アルムフロッサー、通称「アルム」。アルムは電子頭脳を持ち「考え」「思う」ことが出来る潜水艦だ。アルムは思う。何とか戦争を終わらせたい。はてさて・・・というお話。目の付け所が良い作品だ。平和・戦争って何なんだろうね。2015/02/01
まぁみ
6
面白い。動物としゃべれるコンピューターが出来るといいのに。かたつむりの形をしたマイコン付き掃除機!まるでルンバ(笑)。アルムとシュレミールの再会物語を切に希望します。2012/05/03
バジルの葉っぱ
6
心をもつようになった潜水艦と猫が、人間の戦争をやめさせるために命をかけて戦う。本書は20年以上も前に書かれたものの復刊ですが全く古びていないだけでなく、今の私たちにも啓示を与えてくれるような物語。つまりそれはあいかわらず地球のどこかしらで人間たちが互いに殺しあう憂うべき世がいまだ続いているということ。「動物としゃべれるコンピューターが平和のために使われる日」が、早くくるといいな。 2011/08/17
バッタ
2
表現や登場人物の心理など、やはり児童向けっぽい感じですが、ストーリーは大人でも読める、なんてレベルではなく十分楽しめました。児童文学も馬鹿にできないなぁ、と改めて思いさせられた作品でした。2013/06/30
onion
2
「イーゲル号航海記」の元ネタかと思って読了、意思をもつ潜水艦アルムが人間らしく、優しい。潜水艦ものの固苦しさがなく、爽やかなストーリー。2012/06/24