内容説明
絵の好きな少年ジェシーと、となりに引っ越してきた風変わりな少女レスリー。テラビシアと名づけた秘密の場所で、ふたりはあたらしい世界にめぐりあう。国際アンデルセン賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞に輝く、キャサリン・パターソンによる感動の名作。小学上級から。
著者等紹介
パターソン,キャサリン[パターソン,キャサリン][Paterson,Katherine]
1932年、中国に生まれる。1957年より4年間日本に滞在。作品に『ガラスの家族』などがあり、日本の民話絵本の翻訳も手がける。『テラビシアにかける橋』『海は知っていた』でニューベリー賞を受賞したのち、1998年には国際アンデルセン賞、そして2006年にアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞
岡本浜江[オカモトハマエ]
東京に生まれる。東京女子大学文学部卒業。共同通信記者生活を経て、現在英米文学の翻訳に従事。第42回児童文化功労賞受賞。日本児童文芸家協会顧問。JBBY会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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帽子を編みます
43
読み終わって、失ったものや過ぎた過去のあれこれを思い出しています。もう二度と会えない人たち、あの人たちと過ごした何気ない日々の思い出。ジェシーとレスリーの日々、田舎の少年、都会的な少女との出会い友情、二人だけの秘密の場所テラビシア、突然の別れ。淡々と進みます、でもそれだけではなく自分の経験を思い返して涙をこぼしています。死は悲しい、でも思い出たちが生きる喜びを与えてくれる、私は生きてもっとよく生きることを続けようと思います。『貸出し禁止の本をすくえ!』から出会いました、本との出会いに感謝です。2024/03/11
hirune
35
映画を観ていたから…悲劇が起こることを思って気が重くなったり、でも予め覚悟ができていたり。。でもやっぱり寂しい、痛ましい(T ^ T) レスリーは利発な子供だけれど、危機意識の低さという点で育ちにくい子だったのかも…。ジェシーが彼女をこの世に繋ぎとめる錨になれなかったのはとても悲しい、残念なことでした。2015/10/27
たまきら
25
「貸出禁止の本をすくえ!」でやはり知った本。1977年ニューベリー賞受賞作品。田舎の小さな世界しか知らなかった少年が、都会から引っ越してきた少女を通じてより広い視野や感受性を身に着けていく友情物語です。突然訪れる別れと、彼女の何かを受け継ぐ少年の姿が、胸に焼きつきました。作者自身の現実とのリンクを考えると、このタイトルにはとてもプライベートなものを感じます。2020/11/27
おはなし会 芽ぶっく
16
『英米児童文学のベストセラー40』 https://bookmeter.com/books/189494 で紹介されていた本。4人姉妹にかもまれた唯一の男の子ジェシーは、田舎暮らしであきあきしていた。ある日隣に引っ越してきたバーク一家の娘レスリーと関わるようになる。田舎暮らしには目立つレスリーと、閉鎖的なことに違和感を感じているジェシーは、秘密を共有することで魅かれあう。森に二人だけの国を造り王と王妃になる二人。このまま二人は…が急激な展開になりのめり込みました。著者のパターソンの実体験に基づく展開だそう2021/05/21
🫧
10
★★★★ジェシーの家の隣に引っ越してきた少女レスリーは、都会からやってきた。次第にふたりは仲良くなり、森に「テラビシア」という王国を築き、なんでも話せる親友になった。 *まさに児童のための「文学」。予想外の結末。暗くなるけど、考えさせられる作品。2015/12/14