出版社内容情報
プレンディック青年が助けられた南海の孤島はモロー博士の秘密の実験室だった。狂気の天才モロー博士は新人類を作ろうとしていた。 小学校高学年から
内容説明
南海の孤島で、いまわしい実験をくりかえす、狂気の天才科学者、モロー博士。モロー博士の夢みた人類の未来とはなんだったのか。『タイムマシン』『透明人間』の作者として有名なH.G.ウェルズのもうひとつの傑作。小学上級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イエローバード
22
『透明人間』や『タイムマシン』と並び、19世紀末に書かれたウェルズの傑作。遭難した主人公が絶海の孤島に流れ着くと、そこには謎の生き物が。それはなんと、狂気の天才科学者モロー博士が生み出した動物人間だった……。とにかく怖すぎて、ページをめくる指が震えるほど。動物人間の作り方があまりにも雑なところ(笑)も怖いけど、最後に待っていた展開も、まったく想像がつかないものだった。でも実はただの〝怖がらせ本〟ではなく、重要なテーマがあり、訳者のすばらしい解説のおかげもあって、とても勉強になりました。2022/02/21
asiantamtam
21
タイトルはとても有名で知っていたけど、読んだことがなかったので挑戦してみた。100年以上前に書かれた本だと思えない内容で、当時のキリスト教にはタブーが満載だったのではないかと考えると、改めてすごい名作だと思う。2019/07/16
KAKO
16
偕成社文庫完訳版。人間は神の領域にここまで手を出してはいけないと強く思う。人間に改造されるピューマの悲鳴がずっとバックに流れているようで痛ましい。楳図かずおの「半魚人」や、「アルジャーノンに花束を」や、いろいろな物語が脳裏をよぎった。改造後の動物人間たちの生活、主との在り方、次第に動物に戻っていくところ、哀れだ。モロー博士の最期は当然の報いとも思える。人間社会に戻ったブレンディックが、ロンドンの人々に対して抱くようになった思いが、ゾッとする。皮肉な結末。2025/04/20
まこ
11
人間社会は優れているから動物にも無理やりその良さを味合わせてあげる。自分の立場が上だと思ってる人間のエゴそのもの。けれど、主人公が終盤狂いかけたように、モロー博士も最初は動物や人の進化を期待して行ったが、隔離された環境ゆえに主人公以上に狂ってしまたんだろうな。序盤に遭難したままでも、島に漂着してもロクな結末待っていない2018/01/15
マイケル
8
船の沈没で南海の孤島にたどり着いた主人公ブレンディックはその島で何を見たのか、狂気の天才科学者モロー博士はそこで何をやっているのか。1896年発表のSF小説。動物人間(?)と仲良く暮らしていけるのか。「生の肉や魚を食べるな!」のおきて。生魚(刺身)を食べる日本人は人ではないと思われていた? ダーウィン「種の起源」と聖書の対立。神と人と動物の上下関係。島の研究所で遺伝子操作により人間の思い通りに新種作製の映画「ジュラシック・ワールド」を思い出す。人の言葉を話すサル人間は映画「猿の惑星」を思い出す。2024/05/25
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