出版社内容情報
中世ドイツを舞台に,戦いにあけくれる城主の館に生まれた少年オットーが,愛と知恵をもって平和を求めていく姿を描いた歴史物語。 小学校高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
72
お気に入りの方のレビューを見て、ずっと読もうと思っていた本。中世ドイツを舞台に、平和を求める少年オットーを通して描かれる歴史物語。血で血を洗う暗黒時代を「無知と迷信と残虐と悪意のさけめ」とまで書かれており、現代人にとってはオットーの志に同調するのは容易いだろう。しかし物語終盤、オットーの父コンラッドが臨む最後の戦い、怒りと復讐に燃える彼の様は、野蛮さとは対極にあるかのような、ある種の高潔さを感じさせてくるのだ。物語上はそれが彼なりの愛し方だったから、と受け入れられるが、現実ならばどう受け止めるべきだろう。2023/06/05
光
6
中世ドイツが舞台。争いが絶えない暗黒時代に生まれたオットー少年が争いの渦に巻き込まれていきます。中盤からラストにかけてハラハラさせられました。 平和を求めていく姿を描いた歴史物語。2015/01/14
lovemys
4
長閑な村の描写から始まって、あっと言う間にハラハラドキドキの物語へ展開します。戦いと戦いの合間に出てくるオットーが、ちょっとした清涼剤になっています。しかし、そのオットーも捕らえられ……。わー、読んじゃう、読んじゃう! 先がきになるし、戦いの場面は力入っちゃうし、そして助けが来た時には、読みながら前のめりになってしまった(笑)騎士同士の信頼とか忠誠心とか、チラホラ出てくるところがジーンとしてしまう。しかし、馬をそんなに走らせて! 馬ってそんなに走れるのかなぁ? など、色々なことを考えながら、最後は感動した2019/07/11
水色さくら
3
◎/緊張感みなぎる1冊だった。短かったのが残念。139ページの「よっしゃきた!」というセリフにびびって訳者を見ると、渡辺茂男さんだったから驚いた。こういう硬質な本も訳されるんだな。2013/09/15
ちいさな図書館
2
予想外に面白く、一気読みしてしまった。次はどうなるのかハラハラする。オットーが受ける残酷な仕打ちも戦いの場面も、文章が丁寧で美しいから、そんなに恐ろしすぎない。それでいて、物語の勢いは失ってない。こういう形で戦いや冒険を読めるといいなぁ。序章がちょっと重そうに感じるけれど、本編に入ったら一気だった。2012/12/18