出版社内容情報
千葉県船橋市にある〈ふなばしアンデルセン公園〉を訪れたときのことです。たくさんの親子づれでにぎわう中、噴水のある広い池のわきにあるベンチに腰かけて、ペットボトルの水を飲んでいたら……1羽のハクチョウがとんできて、わたしに話しかけてきたのです。
「おとなと子どもがいっしょにいれば、かならず親子だと思うのはまちがいよ。親でも子でもないこともあるし、血のつながりのない親子もいれば、血がつながっていても、親子だとみとめてもらえないこともある。」
「みにくいアヒルの子」「人魚姫」「はだかの王様」の3編を収録。『サブキャラたちの日本昔話』『サブキャラたちのグリム童話』につづく短編集第3弾。
内容説明
思わずひきこまれる、登場人物たちの話を3編収録。小学校高学年から。
著者等紹介
斉藤洋[サイトウヒロシ]
東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞を受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞を受賞
広瀬弦[ヒロセゲン]
東京都生まれ。絵本・挿し絵などで個性豊かな作品を発表している。「かばのなんでもや」シリーズでサンケイ児童出版文化賞推薦(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
83
児童書、だけど渋い。アンデルセン公園で創作のアイディアを練っていた作家に、アンデルセンの物語に登場する脇役達が裏話を語る。[みにくいアヒルの子]白鳥じゃなくてもいいアヒルの子はアヒルでいい[人魚姫]人魚は化け物。出世したくない人もいる[はだかの王様]気ままに暮らす旅芸人が出会った仲間。お芝居で笑う人も自分の立場になれば笑えない▽なるほどね、って感じ。2021/12/10
はる
56
おなじみの童話を、オリジナルとは違った視点で描いた物語集。どの作品も少しシニカルなタッチで、原作の最も大切な要素を否定しているのが面白いですね。「はだかの王様」の王様の無知を、「人魚姫」の人魚の優しさと恋を、そして「みにくいアヒルの子」にいたっては……。特に「人魚姫」は、原作のロマンティックな雰囲気とは真逆のサスペンスタッチの展開で面白かったです。2021/10/30
Kurara
52
★3 アンデルセン童話の3つの話しの裏側は実はこうだったのお話。イヤミスな感じではなかった。 【21.92】2021/12/22
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
47
「みにくいアヒルの子」「人魚姫」「はだかの王様」の3編の、アンデルセン童話の本当の真実はこうだったという物語。それぞれ元のアンデルセン童話とは全く違いますが、視点を変えてみるとまた違う話になるのが面白いし、深め方に興味をそそられました。シリーズ3との事ですが、2冊は未読なのでまた手に取りたいと思います。斉藤洋さんの世界観大好き。#NetGalleyJP2021/09/20
ミーコ
39
斎藤洋さんの「もうひとつのアンデルセン物語」作家さんとタイトルに惹かれ、図書館から借りて来ました。読む前からワクワクしてたのですが、期待通り面白かったです。1番好きなのが「はだかの王様」元のお話が頭から消えてしまう位に楽しかったです。人魚姫は恐いブラックなお話でした。みにくいアヒルの子は逞しい努力家のアヒルさんのお話…。サブキャラたちの…も読んでみたく思います。2022/01/02