出版社内容情報
見知らぬ町で途中下車することになったフランツは、「深夜画廊」という名の不思議な書店で、運命を変えるできごとに遭遇する。
斉藤 洋[サイトウヒロシ]
森田みちよ[モリタミチヨ]
内容説明
そこは、運命を変えるたいせつな思い出に会える店。見しらぬ町で途中下車することになったフランツは、駅で聞いた「深夜画廊」という名の書店に心をひかれた。夜間専門の古本屋で、二階は画廊になっているらしい。小学校高学年から。
著者等紹介
斉藤洋[サイトウヒロシ]
1952年、東京都に生まれる。中央大学大学院文学研究科修了。1986年に『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞を受賞してデビュー。1988年には『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞を、1991年には、『ペンギンハウスのメリークリスマス』など、それまでの業績に対して路傍の石幼少年文学賞を、2013年には『ルドルフとスノーホワイト』により野間児童文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
100
イェーデシュタット三部作。吹雪で足止めされて一夜を過ごすことになった町。フランツの前に現れる奇跡は、彼自身も気づかなかった「探し物」に出会うためのヒントだった。冬のドイツは魔法の舞台にふさわしい。「だれだってヒントに出会うのです。ヒントは連続してあらわれますからね。それで気づかなければ、それは気づきたくないからです。」私自身これまで見過ごしてきたヒントはなかっただろうか?未読の「アルフレートの時計台」を読まなくては。2016/09/26
杏子
28
まさかと思ったら、そうだった!『アルフレートの時計台』と同じ舞台で、描かれた新作でした。『ドローセルマイアーの人形劇場』と合わせて三部作になるという。また通して読みたくなってきた。児童書だけど、小学生には難しいだろうか? いろいろな想像を喚起させるお話だと思うのだけど。私もオイレ夫人の深夜画廊で、もう一度見つけたい本がある。あの日読んで、二度と返ってこなかったあの本を!2016/06/21
バニラ風味
24
偶然、留まることになってしまった街はイェーデシュタットという名前でした。そこにある、オイレ夫人の深夜画廊は、夜だけ営業する不思議なお店。そこは、ずっと前に忘れてしまった、大切なものがある場所。でも、その店だけでなく、この街全体が、過去とつながりがある場所のようです。偶然ではなく、必然だったのかも知れません。そこに行き着けば、過去を思い出し、新しい道が開けるイェーデシュタット。行ってみたくなります。2017/02/23
深青
19
斉藤さんの新刊!アルフレートの時計台と同じ街を舞台にしたお話。見知らぬ街で途中下車することになったフランツ。夜だけあく不思議な書店に足を踏み入れ...不思議でどこか退廃的な雰囲気もあるなと。でもそんな雰囲気も好き。大切な何かを思い出すための大切な足止めだったのかなと思う。2016/06/07
ぱんちゃん
15
しみじみよかったです。『アフターダーク』以降の村上春樹のようなアプローチで自分の本質を探る物語でした。過去の自分と向き合い、そのときの気持ちをもう一度たどる。たんたんとしているはずなのに、切なく、泣きたくなりました。今私が四方八方から最高のストレスを受けているからこんなにも切ないのかしら。おそらく小学校高学年から読めますが、読み返す時代によって視点が変わる話かと。斉藤洋さん、いろんなテイストをもってていいわぁ。2017/02/22