出版社内容情報
戦士になれなかったアサギは女屋で機を織る。そのころ、村では人々が蒸発するうわさが広がっていた。アサギは巫女ばあさんから特命を受ける。
内容説明
弓の競い合いには勝ったが、アサギは長老頭から女屋行きを命じられる。新たな世界を受け入れようと、布を織るアサギ。そんな折、村にあるうわさが流れる。しも村の住民が、突然、いなくなってしまい二度ともどってこないというのだ。小学校高学年から。
著者等紹介
森川成美[モリカワシゲミ]
東京都在住。2009年「アオダイショウの日々」で、第十八回小川未明文学賞優秀賞受賞
スカイエマ[スカイエマ]
神奈川県在住。児童書・文芸書の装画や挿絵、新聞・雑誌の挿絵などを幅広く手がける。第四十六回講談社出版文化賞さし絵賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
annzuhime
33
シリーズ2作目。戦士になれず女屋に入ったアサギ。織物は上手くできず、やはり馴染めない空間。そんな時に女屋の仲間が行方不明になる。閉鎖的な村から外へと目を向ける今作。取引や支配。人が人を管理するとこうなるのか。アサギの慎重なモノノミカタが良い。孤立していた少女が必要とされる1人の人間になっていく姿が眩しい。すごく気になる終わり方なので一気に次も読みます。2025/03/06
いちごプリン
21
アサギは度胸がある。手がかりを探しに知らない人の船に乗るなんて。また敵かもしれない村に潜入して、そこで自分の村の人たちをついに見つけた。そこで奴隷のように働かされている仲間。大変なことになった。先が見えないがうまく仲間を助けることができるだろうか。しかし、アサギは敵かもしれない村であっても早くも友人を作ってしまう。そういうところに感心する。2020/12/10
杏子
21
続きがまた気になります!次はあんまり待たないですむのかな?2015/11/14
おゆ
18
「何もないところから始めることのできる、自分の力を信じる」もうそれさえあれば、どこでだって生きていけるような本質的な強さ。そうだ、自信って「自分を信じる」って書くのだった。すぐに揺らぐ、他者からの比較や評価とはまったく違う。前巻で習得したモノノミカタは、今巻でもアサギに冷静な視点を与えてくれる。けれどそれは良いことばかりではなく、時には女屋の仲間との間に誤解を生んだり、仲良くなれそうだったイブキへの対応がクールになりすぎたりする原因にもなる。イブキは贔屓にしたくなる素敵な子なので、良い目を見せてほしいよ!2018/05/29
鷺@みんさー
13
なるほど。1巻を読んだ時、「竪穴住居で狩猟採集のみか。縄文時代っぽいな」と思っていたが、縄文から弥生に移る時代の話だったのか。例えば渡来人を受け入れたかどうかなど条件は色々あるだろうが、ここに書かれているように、単純に変化を嫌い古い生活を送る村は取り残されていったのかもしれない。とまれ、そういうことは考えず児童書として面白く読める。捕虜というか最早拉致だが、その概念や貨幣価値としての岩塩など、文化的側面が面白い。最終巻も楽しみ。ところで猿の正体はもしかして……2017/08/04