出版社内容情報
〈この世でいちばんたしかなもの・ダレカ〉を探すことになった悟は、思いがけず竜退治の冒険に出ることになった。 小学校高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
212
面白かった。児童文学だが骨が太い作品だ。猫に誘われて不思議な世界に紛れ込む。子供と老人ばかりの国、奇妙なルールが支配する世界。なぜルールを守らねばならないか、覚えている人はいない。子供の頃って、2分間てとても長かった気がする。年とともに2分間の意味が変わってくるなぁ。小4の娘が妙に強く薦めるので読んでみた。謎解き、知恵、勇気、冒険。子供に持ってほしい力と知恵。主人公の逃げ出さない健気さが良かった。2020/08/23
海猫
120
小学六年生の悟が体育館をぬけだし、ふしぎな黒ネコに出会った時から、悟の、長い長い二分間の大冒険が始まる。ということで、一種の異世界ファンタジーとして読めた。竜を倒すために旅立ち、竜をたおす剣を手に入れて…といった流れは定番ではあるが、実はこの物語そんな型にはまった内容では、ない。後半は意外な事実がわかってきて、それを知った少年少女がどう行動するかが肝。竜が出してくる謎掛けが難易度が高い。「世界でいちばんたしかなもの」を探す命題も考えさせられる。切ないけど爽やかなラストも良し。至高の「二分間」というべきか。2021/02/18
oldman獺祭魚翁
64
図書館 前掲した「きみが、この本、読んだなら ざわめく教室編」に載っていたので借りてみた。非常に優れた異世界ファンタジーであり、子どもの想像力を掻き立てるストーリー。そこには愛も勇気も友情もある。子ども達が強力な竜を倒すため、力を併せていくクライマックスは誰でもワクワクするだろう。 日本にもこんなに優れた児童ファンタジーの書き手が居るのだなぁ。 長文の感想はこちら⇒https://www.honzuki.jp/book/56167/review/248976/2020/08/09
nakanaka
58
名作だと聞き子供に買った本でしたが、やはり面白かったです。小学校のグラウンドにいた黒猫によって突然異世界に送られてしまった悟。黒猫を探し出さなければ元の世界に戻れなくなりますが、そこは大人のいない世界で竜を倒さなければならないという使命が課せられていることを悟は知ります。分かりやすい冒険ストーリーを軸に自分探しの旅にもなるような内容でした。児童書も侮れません。2024/12/23
masa@レビューお休み中
54
二分間の冒険…まずはそのタイトルに惹きつけられる。そして、次に主人公の悟(さとる)が出会ったダレカと名乗る黒ネコの言葉。いきなりネコがしゃべって、なおかつその謎が解明されないまま、悟は未知の世界へ連れ去られてしまう。まさしく、ここから二分間の冒険が始まるのだ。強制的に始まった冒険は拒否することができないままダレカの思惑通り北の町に住むと言われる竜の館へ行くことになる。しかも、この未知の世界にはなぜだか同級生たちが同じ名前で存在する。さて、冒険の結末はどうなるのか。大人が読んでも十分楽しめる二分間の冒険だ。2012/09/28