出版社内容情報
はるかは、この春中学生になる。いとこの芽久実も大学に合格し、はるかの家の近所に一人暮らしをすることになった。久しぶりの再会だったが、芽久実の恋の話を聞いたり、夏休みに芽久実の実家にあそびにいったりと、二人の交流は深まり、はるかは、芽久実の誠実な人柄にひかれていく。 そんな折、近くの踏切で人身事故がおきる……。
身近な人の「自己犠牲による死」を通して、生命の在り方を問いかける明日への物語。
内容説明
はるかは、この春、中学生になった。いとこの芽久実も大学に合格し上京、はるかの家の近くで一人暮らしをはじめる。はるかは、次第に芽久実の誠実な人柄にひかれていく。しかし、おだやかな日々は、長くは続かなかった。命の在り方を問いかける明日への物語。
著者等紹介
志津谷元子[シズタニモトコ]
東京都生まれ。『吹きぬけの青い空』(Gakken)で第14回小川未明文学賞大賞を受賞。日本児童文学者協会会員。「婦人文芸」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪丸 風人
20
主人公は目標が見つけられない少女。上京してきた従姉との関わりで意識に変化が芽生えた彼女を、まさかの事態が襲います。なぜこんなに痛ましい出来事を描くのか?怒りすら覚えた瞬間もありましたが、今はこの本に出会えて良かったとしみじみ感じています。放心と自棄に染まる主人公への同級生たちの働きかけが沁みましたよ。母の「絶対に絶対に真似をしないで」という切実な言葉にも共感しきり。”憧れてやまないあの人のようになりたい”という想いが、いつか少女の未来への道標になってくれると信じたいです。(対象年齢は10歳半以上かな?)2024/12/03
toshi
11
大切な人を亡くして、友人や家族に支えられて立ち直っていく少女の物語。 年上の従姉に憧れる女子中学生の話という感じで進んでいたのが、真ん中あたりで突然物語が動き出す。 それからは、少女が絶望から一歩踏み出すまでの話になるが、前半のエピソードがみんな伏線として回収されていったのは見事。2024/10/12
すみっちょ
8
後から考えると芽久実さんはどこか儚い感じがしたかも。でも、優しくて芯が強くて前をしっかり向いて生きている、とても素敵な女性だった。だからこそおじいさんをほっとけなかったんだろうけど…芽久実さんの家族やはるかたち家族の悲しみが伝わってきて苦しくなりました。はるかが二十歳の自分に書いた手紙が印象深かったです。2024/10/17
エル
7
あこがれの人、大切な人を突然喪い、現実を受け入れられないはるか。それでも世界は変わらず動いていく。はるかだけ世界に取り残されたみたいに。生きるとは、いのちとはなんだろう。明日が変わらず来るのは当たり前ではない。生きたい気持ち、生きたくない気持ち。難しいな…2024/12/12
りつ
6
芽久実の死を通して、生きる意味を探す主人公。突然の別れを受け止められないなか、主人公の存在で助けられた人がいることを知り少しずつ前を向けるようになる。生きる意味の答えはきっとすぐにはみつからない。家族や友人に支えられ、胸の中で葛藤している姿が苦しかった。少し展開が早かった印象だったけど、よかった。児童文学もおもしろい作品が多い!!2024/12/11
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