出版社内容情報
はるかは、この春中学生になる。いとこの芽久実も大学に合格し、はるかの家の近所に一人暮らしをすることになった。久しぶりの再会だったが、芽久実の恋の話を聞いたり、夏休みに芽久実の実家にあそびにいったりと、二人の交流は深まり、はるかは、芽久実の誠実な人柄にひかれていく。 そんな折、近くの踏切で人身事故がおきる……。
身近な人の「自己犠牲による死」を通して、生命の在り方を問いかける明日への物語。
内容説明
はるかは、この春、中学生になった。いとこの芽久実も大学に合格し上京、はるかの家の近くで一人暮らしをはじめる。はるかは、次第に芽久実の誠実な人柄にひかれていく。しかし、おだやかな日々は、長くは続かなかった。命の在り方を問いかける明日への物語。
著者等紹介
志津谷元子[シズタニモトコ]
東京都生まれ。『吹きぬけの青い空』(Gakken)で第14回小川未明文学賞大賞を受賞。日本児童文学者協会会員。「婦人文芸」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
100
YA。普通の生活、からの喪失の物語▽はるかの団地の近所に、春から大学生になるイトコの芽久美(めぐみ)さんが引っ越してきた。年上のイトコははるかにとってお姉さんみたいな存在となる。芽久美さんは大学で心理学を学んでいて、東京で再会した初恋の先輩と付き合い始める。穏やかな日々は突然の事故で▽日常風景が平凡で単調だったので、読んで退屈だなと思っていた矢先の喪失。深く沈み込む悲しみを癒してくれるのは、時間だったり周りの人の言葉だったり。教科書や試験問題に出てきそうな話。2024年発行2025/10/30
雪丸 風人
22
主人公は目標が見つけられない少女。上京してきた従姉との関わりで意識に変化が芽生えた彼女を、まさかの事態が襲います。なぜこんなに痛ましい出来事を描くのか?怒りすら覚えた瞬間もありましたが、今はこの本に出会えて良かったとしみじみ感じています。放心と自棄に染まる主人公への同級生たちの働きかけが沁みましたよ。母の「絶対に絶対に真似をしないで」という切実な言葉にも共感しきり。”憧れてやまないあの人のようになりたい”という想いが、いつか少女の未来への道標になってくれると信じたいです。(対象年齢は10歳半以上かな?)2024/12/03
ウクレレで歌う
12
とても重い話。だけど、こういう経験をする子はたしかにいるのだ2025/05/07
toshi
12
大切な人を亡くして、友人や家族に支えられて立ち直っていく少女の物語。 年上の従姉に憧れる女子中学生の話という感じで進んでいたのが、真ん中あたりで突然物語が動き出す。 それからは、少女が絶望から一歩踏み出すまでの話になるが、前半のエピソードがみんな伏線として回収されていったのは見事。2024/10/12
エル
9
あこがれの人、大切な人を突然喪い、現実を受け入れられないはるか。それでも世界は変わらず動いていく。はるかだけ世界に取り残されたみたいに。生きるとは、いのちとはなんだろう。明日が変わらず来るのは当たり前ではない。生きたい気持ち、生きたくない気持ち。難しいな…2024/12/12




