出版社内容情報
目が見えず、耳も聞こえないキタキツネの子ヘレン。獣医夫妻の懸命な介護の姿を通して生命の意味、重さを考えさせる感動のノンフィクション。映画化決定、来春公開。
内容説明
キタキツネの子ヘレンは、道路わきにうずくまっているところを保護されて、獣医の竹田津先生のところへつれてこられました。ヘレンはどうやら目が見えず、耳も聞こえないようです。ミルクをあたえても、見向きもしません。でも、先生夫妻の懸命な介護で、ヘレンはやがて…。小学中級以上向き。
目次
迷子のキタキツネ、発見!
やってきた子ぎつね
子ぎつね、メンコに会う
子ぎつねの名は、ヘレン
ミルク記念日のつぎは、ニク記念日
ヘレンの里帰り
ヘレンとメンコのピクニック
ヘレン、自分から肉を食べる!
ヘレン、妻とじゃれる!
ヘレンの発作
著者等紹介
竹田津実[タケタズミノル]
1937年大分県に生まれる。岐阜大学農学部獣医学科卒業。野生動物にあこがれて、北海道斜里郡小清水町農業共済組合・家畜診断所に獣医として赴任。’91年に退職。’66年からキタキツネの生態調査を始め、’72年より、傷ついた野生動物の保護・治療・リハビリに取り組む。写真家・エッセイストとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真香@ゆるゆるペース
37
2006年に上映された「子ぎつねヘレン」の原作。道路脇で保護され、獣医師の著者の元へ連れて来られたヘレンは、視覚・聴覚・嗅覚がないという三重苦のキタキツネの子供。1ヶ月という短すぎる命だったけど、タイトル通りいろんなものを残して、その生涯を全うした。可愛いヘレンの多数の写真から、著者と奥様の懸命な介護の様子や愛情がしっかりと伝わってくる。健康のありがたみや命の尊さを感じずにはいられない、涙なくしては読めない作品。2019/04/07
刹那
19
長男用に借りてきた児童書( ^ω^ )先に読んでみました。題名は映画化されているとゆうことで、聞いたことありましたが、どんな話か全然知らなかった。野生動物の保護は大変ですね。獣医さんも、その妻もほんとによくやってはるなと思います。2014/10/25
あーちゃん
15
私は、物語をよく読むけど この本もサクサク読めた (この本は実話) わたしは人間だから他の動物の言葉は分からないけど このヘレンちゃん?くん?も 障害があるにも関わらず、色々なことを 感じているんだなぁと思った2021/05/03
剛腕伝説
14
保護され竹田津さんの元に持ち込まれた狐の赤ちゃんは、聴覚、視覚、嗅覚にハンデを持っていた。 ヘレンと名付けられた子狐の世話をする竹田津さん夫婦の奮闘の記録。 後ろ足のない狐・メンコの献身的な母親ぶりにうるうる。メンコや夫婦の愛情も虚しく、ヘレンは逝ってしまう。愛らしくて、一生懸命生きたヘレン、その人生は短かったがみんなの心に大切なものを残していった。動物と付き合うと言うことは、その生と死に向き合うこと。苦しいけれど決して無駄な時間ではなかった筈。それにしても竹田津さんの献身的な、世話には頭が下がる。2023/01/05
kokada_jnet
14
ヘレンはヘレン・ケラーから。視覚・聴覚・嗅覚がない「三重苦」の子ぎつね。動物ものでも、さらに「障害者もの」で感動するという、世の中の仕組みがおかしい。2016/11/26