出版社内容情報
F・ルーズベルト大統領夫人で、人間の尊厳をうたいあげた世界人権宣言の起草に大きな役割を果たした人道主義者の生涯。 小学校高学年から
内容説明
人間の尊厳をうたいあげた世界人権宣言は、エリノア・ルーズベルトらの努力により、一九四八年、国連で四十八か国によって採択されました。宣言には、世界中のすべての人がもっている基本的人権について、三十項目が述べられています。アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルト夫人エリノア・ルーズベルトは、人道主義者として、人種差別に反対し、黒人の社会的地位の向上に力を尽くすばかりでなく、つねに、悲惨な状況に置かれている人々に目を向け、世界中の人々の権利を守るために貢献しました。世界人権宣言は、国や人種を越えて、いまもなお大きな影響力を持ち続けているのです。
目次
人道主義の勝利
世界のファースト・レディ
裕福でも、幸福ではなかった子ども時代
結婚
家庭にはいったエリノア
転機
「たいへんに有能な政治家」
州知事夫人
大恐慌
大統領
ファースト・レディ
そして失敗
エリノアと報道関係者
エリノアとフェミニズム(女性の地位向上運動)
「独裁者に従うより、死んだほうがましです」
アメリカ参戦
フランクリン・ルーズベルトの死
はげしい仕事をする能力
宣言が採択される
アメリカ合衆国が人権に背を向ける
ひとりの市民にもどったエリノア
国連に復帰
エリノアの死〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aika
43
エリノア・ルーズベルトという、一人の偉大な女性を、心から尊敬します。裕福な家庭に生まれるものの、母親の愛情に恵まれず、両親に先立たれ、容姿に劣等感を抱く少女。やがて努力で知性と教養を身につけ、大統領夫人として夫を支え、どんな苦しみや無理解の中傷に晒されても、弱い立場の人々の役に立つことに使命を見出だした、そんな人生を辿ると、深い感動で胸がいっぱいになります。黒人や女性差別に徹底的に闘い、国連の世界人権宣言に大きな貢献をしながら、一女性として民衆の中に生き続けたエリノア。私もそんな女性になりたいです。2018/03/27
ツキノ
8
エリノアのことはFDR夫人で名前だけ知っていた、ということに気づいた。エリノアの活動を知らなかったことは「損失」だ!世界人権宣言の起草に果たした役割、夫婦としては決裂していても仕事上のパートナー、FDRの足となり、決して代理ではなく自らの信念と医師で動き回った点、そして1953年に広島にも訪問している、という。もっとクローズアップされてもいい人物だ。2014/06/26
スゲ子
7
フランクリンが死んだ時「物語は終わりました」と言ったエリノア。でもむしろそこからが本番!アメリカ代表として戦後すぐの国連に出席。大したことなさそうな第三者委員会(社会文化問題)担当を割り当てられたら、思いがけずそこが一番の激論の場に。難民を送り返せと主張するソ連側に用意したメモも見ずに反論するのカッコいい!そして「世界人権宣言」ができるまでの激闘…貧しい国、西側諸国、共産圏、国ごとに「人権」の意味が違うことに驚いた。あと「個人の自由vs国家」!まとめられる気がしないよ!国連プロジェクトX!2020/11/27
まやま
1
マンガの伝記を読んで興味を持ったので、この本も読んでみた。時代背景を示す写真が多く、考えさせられるが、淡々とした記述で子どもにはマンガの方が共感しやすいかもね、とも思った。2013/09/01
かしこ
0
小さいころの育てられ方ってずーっと後を引くんだな。結婚してからの成長ってあるんだ。2017/05/25