出版社内容情報
一部の人だけのものだった書物の大量複製を可能にした印刷術を発明し、人々に知識への扉を開いたドイツの技術者の生涯。 小学校高学年から
内容説明
ヨハネス・グーテンベルクは、活字を使った活版印刷術を発明しました。しかし、グーテンベルクは、謎につつまれた人物で、彼の一生については、あまりよく分かっていません。ただ、彼が20年以上の歳月をかけて、ひたむきに活版印刷術のアイデアを発展させていき、完成させたことは確かです。印刷術が登場する以前は、ほとんどの書物は手書きで、数も少なく、聖職者や学者、それに裕富な人たちだけしか読むことができませんでした。ところが、活版印刷術によって、書物が大量に、安く、速くつくられるようになると、多くの人々の手に書物が行きわたるようになり、知識は急速に広がり、歴史の流れまでも変えたのです。小学中級から大人まで。
目次
気がかり
印刷物のない世界
退屈
最初の印刷者たち
需要と供給
可動活字
ライバルの主張
謎の男
好調なすべりだし
流浪の身
秘密の鏡
事業再開
活字鋳造
印刷機へ
グーテンベルクの聖書
訴訟ののち
印刷の時代
報道印刷
回転式
機械による植字
写真植字
読書人口の増加〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シルク
4
なかなか見せ方、説明、素材の選び方、言葉の使い方など光るものが多い。見事なこども向け(←そうと確かめずに購入したので、商品届いてびっくり)の偉人書。取り上げられているのは、印刷術のある意味改良、ある点で有力な発明を行い、ヨーロッパ社会において大量印刷への途を拓いたグーテンベルクさん。とにかくこの本、「(主に)こどもが読む」ってことをがっちり真摯に考えている。真摯に誠実に…それは、第1に信頼できる資料を集め、さらに厳選すること。資料の出典を示すこと。第2に内容に密接に絡み合い、興味をかきたてるような図版、絵2014/10/25
ツキノ
4
勤める図書館の児童書の280番台がきついので借りてきた本。「伝記世界を変えた人々」シリーズは素晴らしい。グーテンベルクの謎の多い生涯の他にもその後の印刷の進化もわかる。2013/05/24
うぱこ
3
たかが印刷、されど印刷。2014/07/24
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
2
小学校の国語科単元で、伝記・ノンフィクションがあるので、こちらのシリーズを担任に紹介。2019/04/10
kuragemaru
1
これは良書です。活版印刷術の創始者、ヨハネス・グーテンベルクの児童向けの伝記。と言いながら、グーテンベルクの生涯は謎の包まれており、ほとんど資料も残っていないので、彼の伝記は本のほぼ前半で終わってしまいます。後半は印刷の歴史について、わかりやすく解説されていて、これはこれで面白いです。イラストや写真も豊富で読みごたえがありました。2024/07/20