内容説明
「ねこじゃらしの野原」「風のローラースケート」ほか、野山でおこった不思議な話15編。
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
1943年、東京に生まれる。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。「さんしょっ子」第三回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第十九回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第二十二回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第二十回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第三回新美南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞等受賞作多数。1993年永眠
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感想・レビュー
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うめ
17
あたたかなお話の中にも、人として大事な事が厳しく詰まっていて、それが説教くさくなくてむしろ心地いい。ときどきこわい話もあるわ、と思ったら、巻末エッセイで納得。遠野物語などにも通じるこわさ。和製のお話だからとても肌馴染みが良いわ。2014/12/21
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
10
『さんしょっ子』 https://bookmeter.com/books/16101166 を始め安房直子さんの絵本を読むことが多く、しっかりと文章を味わいたいと思い見つけたシリーズ。15編の短編とエッセイ。『 きつねの夕食会 / すずめのおくりもの / ねずみの福引き / きつね山の赤い花 / 星のこおる夜 / ひぐれのラッパ / ねこじゃらしの野原 / 風のローラースケート / 月夜のテーブルかけ / 小さなつづら / ふろふき大根のゆうべ / 谷間の宿 / 花びらづくし → 2020/09/06
ゆり
10
連作短編風シリーズ二作がメイン。『きつねの夕食会』のオチがふふっと笑えて娘に弱いおとうさんきつねも込みでほのぼのしてお気に入り。『小さなつづら』も優しいお話。女の人の憧れがいっぱいつまって美しくてちょっと怖い『花びらづくし』も好き。ふろふきだいこんにきなこもち、よもぎだんご、雪の下の天ぷら、なんだかとっても美味しそう。エッセイに載っていた『星姫物語』がちょっと気になる。 2020/03/22
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
9
6年生ブックトーク授業【冬休みにおすすめの本】 国語で『きつねの窓』 https://bookmeter.com/books/523006 を学習しているので、絵本だけでなく読み応えのある本を紹介。2021/12/20
うとうと
8
『ねこじゃらしの野原 とうふ屋さんの話』『山の童話 風のローラースケート』の2つの連作短編がメイン。本のタイトル通り、もの言う動物たちが登場する、不思議で、少しさみしさや切なさを誘うお話ばかり。 どれも不思議なお話なんだけど、なぜだか妙にリアルで、山を吹く風や、ラッパの音、桜の花のにおい、大根を煮るゆげまで感じてしまう。出てくるお料理も一緒に味わっている気がする。安房さんのお話はそこがとても好き。 『谷間の宿』はかなりゾッとした。『すずめのおくりもの』のすずめが可愛すぎる!2021/04/01