内容説明
フェイリムの前に油まみれの小人があらわれて、そしていった。「わしらを救えるのは、おまえひとりだ、ジャッコ・グリーン。」いくら人ちがいだといっても、その小人はいいつのる。こわくなって逃げだしたフェイリムはしかし、ジャッコ・グリーンとして命をねらわれながらも、“うまれくるもの”を阻止する旅をはじめていた。鳥人間のようなスウィーニー、影のない少女アレクシア、ふしぎな形の馬オビーオースと一緒に。
著者等紹介
マコーリアン,ジェラルディン[マコーリアン,ジェラルディン][McCaughrean,Geraldine]
1951年、イギリスに生まれる。本名ジェラルディン・ジョーンズ。出版社につとめたのち、作家となる。『不思議を売る男』でカーネギー賞とガーディアン賞を受賞
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年、岡山県に生まれる。法政大学教授、翻訳家
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感想・レビュー
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洋書好きな読書モンガー
16
ファンタジーというよりブリテン島に伝わる伝説民話の妖精とかモンスターを集めて物語にまとめた様な本。作者はジェラルディンという名前で男だと思っていた(中世の騎士にありそうな名前だから)。170作も児童文学を書いている女性作家。「世界の果ての少年」と「アフェイリア国とメイドと最高のウソ」は読んだ事がある。「ジャッコ・グリーン」グリーンマンとか呼ばれているブリテン島では良く知られている妖精の名前らしいけど邦題にするには馴染み無くて。セミは北ヨーロッパには居ないので訳者の意訳だな。家を守る妖精は居たら楽しいかも。2025/02/27
メイロング
2
フェイリムの覚悟がいつまでも決まらないのと、ラストのワーム戦のあっさりぐあいのせいで、たいへん消化不良。水木しげるの妖怪図鑑にも出てきた西洋妖怪と再会できるのはうれしいし、<魔女のはしご>はすごくいい。倍の長さもでいいから、フェイルムの内面より、外の世界をもっと密に。2014/05/29
Theodore
0
ストーリーは割とよくある部類だが、敵方に女性型の魔物が多いのは新鮮。個人的には主人公たちの活躍よりも、父と弟というダメ男2人を相手に厳しい振る舞いを見せた主人公の姉が輝いて見えた。確かに言動は好ましくないのだが、駄目男の被害者としての観点からみると憎めないんだよな。 2010/09/17
鳥朗
0
グロテスクなファンタジーは好きじゃないけど、こんなふうにちょっとブラックな雰囲気のファンタジーは良い。妖精や怪物が沢山出てくるけれど、それらは土俗的でリアル。ファンタジーなんだけれど妙に生々しい、あまり読んだことのない感じの作品でした。2010/07/06