出版社内容情報
どこにあるのかだれも知らない、日小見(ひおみ)の町には、その昔、不思議な人たちが暮らしていました。
藤重ヒカル[フジシゲヒカル]
飯野和好[イイノカズヨシ]
内容説明
日小見は、しずかな古い町。山にいだかれ、川がながれる、どこにでもありそうな城下町。けれども、その昔、ここで起った出来事は、今に伝わる話とは、だいぶちがった不思議なことばかり。知られることなく、消えていった、五つの「ほんとうの」話とは…どこにあるのかだれも知らない町、日小見の物語。
著者等紹介
藤重ヒカル[フジシゲヒカル]
1965年千葉県我孫子市生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業後、建築インテリアの仕事に従事。そのかたわら、飯野和好氏に師事、絵本・童話をかきはじめる。2013年児童文学誌「飛ぶ教室」33号、つづく34号の作品募集にて入選、作品が掲載される。33号での入選作「立花たんぽぽ丸のこと」を中心に書き下ろし、まとめる。デビュー作となる
飯野和好[イイノカズヨシ]
1947年埼玉県長瀞生まれ。セツモードセミナーでイラストレーションを学ぶ。絵本、広告、雑誌等で幅広く活躍。ブルースハープ奏者としてライブ活動も展開。代表作として、絵本に『ねぎぼうずのあさたろう』(小学館児童出版文化賞)『みずくみに』(日本絵本賞)、また、さし絵に「小さなスズナ姫」シリーズ(赤い鳥さし絵賞)等多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
91
日小見(ひおみ)という土地の伝説を紐解く形で語られる5つのお話。妖しや動物たちが繰り広げる人情話は、児童書ながら江戸時代という社会背景もしっかり描かれている。どの話も優しくて、ファンタジーというよりメルヘンな世界。特に「おはるの絵の具」はじーんと来た。2017/10/12
anne@灯れ松明の火
28
読友さんオススメで、探した。地元にはなかったが、隣市でゲット。日小見という城下町での不思議なおはなしが5つ。昔はこんなこともあったかも?と思えてしまう。読後、冒頭を読み返し、「県の中央部にある」とあるが、何県?と真剣に考えてしまったほど。どの話も、途中でハラハラさせられる場面があり、次へ次へと読みたくなる。そして、最後はほんわか♪ 藤重さん、デビュー作だそうだ。挿絵は、藤重さんの師・飯野和好さん。教え子のデビューに花を添える。弟子も師も、感無量だろう。2018/09/13
mntmt
28
うまいな。日小見という場所が本当にある気がしてくる。「草冠の花嫁」と「おはるの絵の具」が特に、良かったです。2017/02/28
バニラ風味
25
日小見(ひおみ)という穏やかな場所に伝わる場所、言い伝えにまつわるお話。人を傷つけずに勝てる、という武士の秘密「立花たんぽぽ丸のこと」。記憶を失くしてしまった男が、自分の過去を思い出す「草冠の花嫁」など、どれも心温かくなるような不思議なお話です。架空の場所のお話なのですが、こんな場所が日本のどこかにあったら、訪ねてみたくなっちゃいます。飯野さんの絵が、とてもマッチしていて優しい気持ちになります。2016/11/04
みー
14
凄くよかったー。日小見という架空の市のうんとうんと前・江戸時代のお話・・。どのお話も不思議なんだけれども、怖くはなくて、どれもが温かくて優しくて・・こんな土地で「生きる」事の出来た全ての生き物は、幸せだっただろうなー。思わず鼻の奥がツーンとしちゃうお話も!架空の地域のお話だけれども、もしかたら・・もしかしたら・・本当にこんな地域があったかも・・ううん、あったらいいなって思えるお話集でした。是非、お子様は勿論、大人にもおススメ。あ~・・行ってみたい。日小見!!図書館本。2016/11/18