内容説明
本書は、バルサの生まれ故郷カンバル王国が舞台。「カンバル王がロタ王国との同盟をむすぶかどうかに北の大陸の存亡がかかっている」このことに気づいたチャグムとバルサはカンバル王国へとむかう。しかし、カンバル王の側近には南のタルシュ帝国に内通している者がいた。あやうし、バルサ。チャグムは北の大陸をまとめることができるのか。
著者等紹介
上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
立教大学大学院博士課程単位取得。専攻は文化人類学。オーストラリア先住民族であるアボリジニを研究。女子栄養大学助手を経て、川村学園女子大学助教授。著書に『月の森にカミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)『精雲の守り人』(野間児童文芸新人賞、サンケイ児童出版文化賞)『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)『夢の守り人』(路傍の石文学賞)などがある。2002年巌谷小波文芸賞受賞
二木真希子[フタキマキコ]
愛知教育大学美術課程卒業後、テレコムアニメーションフィルムに入社。フリーを経て現在はスタジオジブリでアニメーションの原画を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
あわいの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
84
カンバルの国へ、バルサとチャグムが降り立つといった内容なわけでありますが、二人の優れたところがそれぞれ見事に発揮されて、非常に面白い物語でした。バルサのプロの仕事ぶりの見事さと、成長したチャグムの強さと器が見えたかと思えば、チャグムがバルサに助けられたり、その逆もあったりと二人の絆が愛おしいという物語でありました、こういう関係をなんと呼べばいいんだろう。再び二人が、それぞれの得意とする方向へと旅立っていき、いよいよ完結へと向かうのが楽しみで仕方ないです。2017/07/26
Rin
79
【図書館】第一部の最後からの展開がずっと気になっていた。しっかりと物語の中で時間が進んでいて、皆が年を重ねて生長し、老いて経験を重ねている。出逢って別れた人、体験した出来事の全てがきちんと生きている。そして大きな、大きな変化の瞬間が待っていて。それに向き合うチャグムやバルサを通じて、つい現実だったら?と置き換えてしまいそうになる。戦争や自然災害、人ひとりが立ち向かうには大きすぎるものごと。それでも、チャグムの側にバルサが居てくれることが嬉しくも、タンダたちの現状に、不穏な空気に大きな不安が残ります。2016/05/21
ちはや@灯れ松明の火
78
再び並んで旅することはないと思っていた仮初の親子。歳月は養い親から体力を徐々に削り取り、養い子からは幼さを一気に剥ぎ取っていった。子が親の丈を越えた今、互いに守り庇い合い北の山国の地を踏む。近づく帝国軍の脅威と、異界からの天災の予兆。祖国を守りたい、同じ志を抱きつつも様々に入り乱れる思惑。かつて敵対した猟犬との共闘、高潔な武人の帝国への内通、神と仰ぐ帝と国の存亡とを秤にかけた星読博士の決意。そして三国の命運を握った皇太子が誇りと引き換えに手にした宝の如き絆。何を捨て、何を得るか。全ては守るべきものの為に。2010/11/18
万葉語り
69
シリーズ8冊目。再び共に旅をすることになったバルサとチャグムが嬉しかった。ただ守られるだけの少年から着実に成長を遂げたチャグムの姿がたくましい。一方チャグムを守るために、山の民の則さえも忘れるバルサは母のよう。ホイは捨て荷。「見事なホイだったね」がとても印象的。2019-0372019/02/23
ミーコ
68
第二部も期待通り 引き込まれて、ほぼ一気読みでした。あとがき に書いてある様に 私もバルサとチャグムが他人に思えない・・・ 先が気になるけど 最終巻は惜しくて読みたくない様な複雑な気持ちです。地球の温暖化や戦争 今の世の中を語っている様です。チャグムが命懸けで、カンバル王ラダール陛下に伏して願い 王から同盟を結びましょう と言われた時には鳥肌モノでした。凄くスケールのデカいお話 奥が深く のめり込んむ魅力が有ります。最終巻は少し期間を開け、大事に読んで行きたく思います。2016/07/13