感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シルク
9
ラスト近く、大人の世界に足を踏み入れんとしている女の子の情景描写が印象的な作品だ。こどもの世界とおとなの世界の狭間、境界。そこに立った時の気持ち――わたくしにとってはもうはや、遥か昔のことになるわけで!――を思い出させる。初夏のような気持ち。生暖かい、青くさい風が足元からびょうびょうと吹き上げてくるような。崖の縁に立って風を肌に感じているような。地平線の光を眩しく見るような、そんな遠い日の気持ち(´`)こどもから大人へ。境界を踏み越える少女を見守っていたのは、初夏のみどりとつる薔薇でした。…ケリー家のこど2016/05/12
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