出版社内容情報
「よつば月の よるには、
どうぶつたちの ねがいが、
なんでも かなうんだよ。」
すこしみどりいろにかがやく月の夜、オカピは、どうぶつえんじゅうのかぎをあけて、あるきだしました。
長いはなをすっきりさせたいゾウや、本をよみたいメガネザル、かわいいふくがきたいカンガルーに、知らないどこかにいってみたいコアラ。はじめて出会ういろいろなどうぶつたちと話をするうちに、オカピはあることをおもいます。
ふしぎな月あかりにてらされた、ふしぎなどうぶつ、オカピのおはなし。斉藤倫はじめての幼年童話。
内容説明
ふしぎな月あかりにてらされた、ふしぎなどうぶつオカピのおはなし。小学校低学年から。
著者等紹介
斉藤倫[サイトウリン]
1969年生まれ。詩人。『どろぼうのどろぼん』で、第48回日本児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞
fancomi[FANCOMI]
1980年生まれ。イラストレーター。広告、書籍、雑誌、CD、グッズ展開など、幅広く活動している。第3回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
81
「ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集」の斉藤倫・著の初童話。オカピというロバとシマウマの合いの子のような動物が、飼育員さんに教えてもらい、よつば月の夜に願い事を叶えて、動物園の他の動物たちに会いに行く。ゾウ、メガネザル、カンガルー、コアラ、ペンギンたちと会って話しをするうちに、みんな悩みがあるのを知る。「ぼく、思ってたんだ。オカピなんかじゃなくて、もっとちゃんとした動物になりたいって」飼育員さんと砂浜を歩きながら言いました。「でも、いいの。オカピで。今日が一番楽しかったよ」2021/06/05
seacalf
70
変わったところでお酒が呑みたいと、動物園内で猿山のお猿さん達を肴に友人と飲み語らいをしたのもコロナ前の随分昔の話。またそんな罰当たりな呑みをしたいものだ。その時にも見た不思議な動物オカピが今度の主人公。不完全なかたちのお月さまを四つ葉の葉っぱに例えるなんて、詩人の斉藤倫さんらしくてユニーク。どうぶつ達視点のやりとりが、なるほどな〜と面白い。飼育員さんをはじめ、ゾウやメガネザルやカンガルーとの会話がほのぼのとして大変愉快。今回も斉藤倫さんにじんわり癒して貰った。2021/07/03
yumiha
48
ふむふむ。確かに「オカピ」って、そんなにメジャーな動物ではない。「オカピなんかじゃなくて、もっとちゃんとしたどうぶつになりたいって。なんか、みっともないような、はずかしいような、きがしてたから」と思っていたオカピが、他の動物たちと出会って楽しい一夜を過ごすという幼年物語。これまで読んできた斎藤倫作品と比べて、少し物足りなかった。 2021/10/13
chiaki
45
動物たちの願いが叶うと言われる“よつば月”の夜。オカピじゃなくて他の動物になりたいと願うオカピは、動物園のいろんな動物たちと触れ合い…。これ、主人公がオカピだからか、なんだか可笑しみのあるストーリーでとても好み。あまりメジャーではないちょっと不思議な出で立ちのオカピを主人公にチョイスするセンスの良さに唸らされます!冒頭の飼育員さんとのやりとりにもクスリ♡挿絵も可愛い。2021/12/18
anne@灯れ松明の火
35
追っかけ中の斎藤倫さん。作品の幅が広くて、読むたびに、違うタイプの作品で驚かされる。「オカピ」は、名前だと思っていたが、動物の種類で、ビックリ。調べたら、「世界三大珍獣」という紹介が出てきた。「よつば月」という不思議な月の夜、他の、さまざまな動物と会い、その気持ちを知ったオカピ。最後に、タイトルの「あしたもオカピ」という気持ちになったことに、ホッとして、温かな気持ちになった。自分に自信が持てない子どもや大人に勧めたい一冊。fancomiさんの絵もかわいくて、素敵! #NetGalleyJP2021/05/24