出版社内容情報
少女がバイソンに出会ったのは4歳の春の日。少しずつ心を通わせていったふたりは、それからながい時間をともに重ねていきます。いくつもの冬を越えてつづくしあわせな時間……。ですが、ある冬の雪の日、バイソンは現れませんでした。喪失と、そのあとにおとずれる心のやすらぎを優しさのなかに描いた絵本です。フランス、ル・モンド紙書評で、「このガヤ・ヴィズニウスキ初の絵本は、絵も言葉も繊細で洗練され、まぶしいばかりに美しい」と激賞。
内容説明
ずっといっしょにいたいな。これは愛と静寂と喪、そして、やすらぎの物語。ヨーロッパの絵本賞4賞受賞。5歳から。
著者等紹介
ヴィズニウスキ,ガヤ[ヴィズニウスキ,ガヤ] [Wisniewski,Gaya]
1980年ベルギー生まれ。ブリュッセルのサン・リュック学院にて絵を学び、デッサンの教師となる。並行して子どもむけのワークショップなども多数主催。その後絵本作家としての活動を始める。2016年よりフランス南西部のジュール県在住。デビュー作の『わたしのバイソン』でジェローム・マン賞など4賞を受賞
清岡秀哉[キヨオカヒデヤ]
1975年東京都生まれ。早稲田大学文学研究科フランス語フランス文学コース修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
94
とても詩的な絵本です。4歳の頃にはじめてバイソンと出会い、仲良くなった。それから永い年月を重ね、お互い齢を取った。もうバイソンの姿は見えなくなったが、そこに、どこにでもバイソンがいることを感じられるようになった。「ここにいたんだね。わたしのバイソンは」自然は自分の心の持ちよう次第で、さみしそうだったり、あたたかだったりするんだね。ラストの染みるような青い空が印象に残ります。ベルギー生まれ、フランス在住のガヤ・ヴィズニウスキ作。本書でジェローム・マン賞受賞。翻訳とブックデザインは清岡秀哉。初翻訳だそうです。2021/10/24
ずっきん
72
やはりそれはやって来てしまうんだけど、予想を超えて胸が締めつけられてしまう。選び抜いた言葉と余韻を持つ絵のタッグ。ああ、絵本の底力よ。2022/01/24
たまきら
51
野生動物とひょんなことから気持ちが通じた時の感動って、特別です。それがバイソンだったらいいなあ…!数年前までうちには「かっぽちゃん」というカラスが来ていました。ごみを漁っているときに叱ったら「かっぽかっぽ」と言って逃げず、鶏のから揚げをあげてからは時々おねだりに来るようになっていて、娘ととてもかわいがっていたんです。…かっぽちゃんもかわいかったけど、バイソン…寄り添ってくれるバイソンいいなあ…。2022/01/31
みゆ
50
読友さんのレビューに魅かれ図書館リクエスト。めでたく購入していただけました!(^^)! 抑えた色味、短い言葉、バイソンがとても印象的で何かの暗喩のように感じるんだけど、それが何か分からずそこに余韻を感じます。雰囲気ある大人の絵本でした('∇^d)☆!!2022/02/19
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
50
ある少女とバイソンの物語。まず黒を主体とされた絵が幻想的でした。そして少女とバイソンが、少しずつ距離を縮め、絆が深まっていく様子がとても印象深い。出逢いがあれば別れもある。生きしものはいつかは喪うものであるが、心の拠り所を失った時の悲しみは計り知れない。 #NetGalleyJP2021/09/16
-
- 和書
- 蔵 〈上巻〉 中公文庫