内容説明
おばあのつくるごちそうは、なぜ、これほどまでにおいしいのか…。それにはわけがありました。少女イネの目を通して描く古事記・日本書紀にも記された「穀物の起源」のものがたり。
著者等紹介
つかさおさむ[ツカサオサム]
司修。画家、作家、装丁家。1936年群馬県前橋市生まれ。1964年主体美術協会設立に参加。講談社出版文化賞ブックデザイン賞、小学館絵画賞、川端康成文学賞、高橋元吉文化賞、毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のっち♬
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『古事記』『日本書紀』から奄美の民話となった穀物の起源の物語。おばあがおさむらいに調理を決して覗かないようにとことわってご馳走を作る。それは唾液発酵の目脂入り酒、おならを吹きかけた豆腐、腐った魚の汁を混ぜた麦団子、耳くそ入り粟餅、鼻くそ入り羊羹という奇抜な調理法だった。作者は農産物が「汚いもの」に由来し、大きな犠牲の上に立って生まれることを、短く平明で選び抜かれた言葉と淡い色調の神話タッチの作画により、テーマの重みに耐久し得るだけの絵本に仕上げた。素朴かつ丁寧な表現に「生きる喜び」が通底する風格ある作品。2024/01/17
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