出版社内容情報
キツネはヘビが苦手。冬ごもりの前の、お別れの時も知らんぷりしてしまい、そのことが気になってしかたありません。キツネが友だちについておおいに悩む、「おれたち、ともだち!」絵本第7弾。
内容説明
ぼく、キツネ。オオカミさんとともだちです。イノシシさんもともだちです。イタチさんもクマさんも、ヤマネさんもともだちです。じゃあ、あいつは?あいつはともだちかな?あいつもともだちなのかな。かんがえてたらこんがらがって、わからなくなっちゃった。だから、あいにいったんだ!そしたらね…。3歳から。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
1941年福岡県大牟田市に生まれる。独自の作風で活躍。作品は、絵本に『さかさまライオン』第9回絵本にっぽん賞受賞、『がたごとがたごと』第5回日本絵本賞受賞、『うそつきのつき』小学館児童出版文化賞受賞、など多数
降矢なな[フリヤナナ]
1961年東京に生まれる。和洋両方の味を合わせもつ独特な画風。スロヴァキア共和国のプラチスラヴァ美術大学で石版画を学ぶ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
195
内田麟太郎・文、降矢なな・絵。人気の「ともだち」シリーズの1冊。今回は、キツネがちょっと苦手にしているヘビと、ともだちになるお話。オオカミはもちろん、クマやヤマネも毛物だけど、ヘビは異質だから疎外されていた。絵はいつもながら快調。能天気なオオカミと、いくぶん内向的なキツネ。そして、自らの異質さを自覚しているヘビ。それぞれの動きが、ちゃんとそれらしく描かれている。暗くならないのは、カラフルな色彩感覚のお陰。2025/06/21
匠
130
冬眠のために森の動物達はそれぞれ一時の別れの挨拶を・・そんな光景を遠巻きに見ていたヘビ。心優しいキツネはそんなヘビが気になって仕方ない。キツネの正直な想いにカラッと理解を示すオオカミの友情もすごくいい。乱暴者だと思われて、以前はあまり友人がいなかったオオカミだからこそ、わかるものがあったのではないかなぁと思う。ヘビが見ていた夢はあまりに寂しすぎたけど、ハッピーエンドが心地良かった。 2014/08/09
新地学@児童書病発動中
95
大人でも優しさを学べる絵本。大人にこそこの優しさは必要だ。冬眠前のヘビに冷たくしたことを悩みキツネ。普通の生活でもちょっとした感情の擦れ違いで、仲たがいをすることがある。そしてそのままコミュニケーションが崩れてしまう。そのあたりの人情の綾をうまく描いていると思った。春が来たら、キツネとヘビの感情のもつれは解決される。読者の心も春の日差しのように明るくなる。ユーモラスな絵が楽しい。本当に素晴らしい絵本だ!2017/01/07
Willie the Wildcat
76
これもお気に入りの一冊。ストーリーもいいんだけど、割と”悪役”の多いオオカミとキツネが”良い役”なのがミソ。キツネの微妙な心情。それを影から見守るようなオオカミ。「しっぽの友情」は見ていてこちらまで楽しくなるし、素直に良かった!と感じる。最後のキツネとオオカミの後姿!これまた「よくやった!」って褒めたくなる。2012/08/19
サク
72
誰もが経験する場面。『あのとき声をかけておけば』と悩むきつねの心。時間がたてばたつほど心の距離が離れていく。その距離を縮める為には、相手と対話をする勇気が必要だ。現代社会は対話することが少なくなり何でもメールで済ませることが多い。あまりの多さにメールし忘れることもあるだろう。『メールをしたが返信がない。どうして私にはメールがこないんだろう』と眠れずに朝まで起きている人も多いと思う。会話には責任が伴う。そして、メールも同じ。人は傷つきやすくもろい。裏切られた気持ちで落ち込むのは目に見えている。行動に責任を。2015/04/27
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