内容説明
つねに弱いものの立場にたって、社会に問いかけてきたアリス・ウォーカーが、2001年9月11日のテロ攻撃に対して、自国アメリカがおこなった報復の現実を知る。そこには、平和だった毎日の暮らしを破壊され、親を亡くし、さまよう子どもたちの姿があった。「戦争」が何なのか、わからないままに巻きこまれ、傷つく子どもたちをこれ以上ふやしたくない―、アリスの強い思いにステファーノ・ヴィタールが心にせまる絵でこたえた一作。小学生から。
著者等紹介
ウォーカー,アリス[ウォーカー,アリス][Walker,Alice]
1944年アメリカ合衆国ジョージア州生まれ。『カラーパープル』(柳沢由美子訳、集英社文庫)で、黒人女性としてはじめてピューリッツァー賞を受賞。同作で全米図書賞も受賞、スピルバーグ監督によって映画化された
ヴィタール,ステファーノ[ヴィタール,ステファーノ][Vitale,Stefano]
1958年イタリア・パドヴァ生まれ。「タイム」「ニューヨーカー」「ニューズウィーク」などの雑誌のイラストや、本の装丁などの仕事多数。世界各国の伝統絵画を研究し、独自の画風をつくりだした
長田弘[オサダヒロシ]
1939年福島市生まれ。詩人。毎日出版文化賞、桑原武夫学芸賞、講談社出版文化賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
137
戦争についての長い小説を読むよりも、この絵本を読んだ戦争の悲惨さがよく分かる。戦争を人にたとえているところが効果的で、人間の残酷さを遠回しに批判してるのかもしれない。美しい熱帯雨林の光景が戦争によって一瞬して変化してしまう場面などは、強烈な印象を残す。救いが示されないままこの絵本は終わりを迎える。作者はどうしたら戦争をやめられるか読者に問いかけているのだろう。2016/04/19
ゆみきーにゃ
94
《図書館》娘が理解出来るようになったら読み聞かせてあげたい。戦争が起きると人間が自然がどうなってしまうのか、一緒に考えていきながら読んであげたいな。2019/07/09
ままこ
91
のどかな日常、その後起きる悲劇を絵と文から想像させられ、問いかけられる。擬人法で子供にもわかりやすい。〈戦争は、戦争の目でものを見るのよ〉長田弘さんの訳もストレートに胸に届く。戦争のしみこんだ水は決して飲みたくない。終戦記念日、平和を祈る。子供はもちろん大人にも読んで欲しい。2020/08/15
nanasi
89
読了。子供には刺激の強い絵だと思いました。2014/09/03
Aya Murakami
86
図書館本。たしかyoutubeで紹介されていて手に取った本。 911の後のイラク戦争に関して執筆されたそうですが、絵柄からなんとなくベトナム戦争を連想。 戦争のしみこんだ水…飲みたくないなぁ。枯葉剤とか放射能とかいっぱい入っているのだろうなぁ。イラク戦争では劣化ウラン弾が大量につかわれたとか聞いた。2023/02/10
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